『君の名は。』(2016)『天気の子』(2019)の新海誠監督最新作『すずめの戸締まり』(11月11日公開)。少年少女の物語を鮮やかな色彩と美しい音楽で紡ぎ出す“新海ワールド”。最新作では、日本各地の廃墟”を舞台に災いの元となる“扉”を閉めていく少女・鈴芽(すずめ)の解放と成長を描く。(文・タナカシノブ/写真・稲澤朝博/デジタル編集・スクリーン編集部)

ストーリー・あらすじ

九州の静かな町で暮らす17歳の少女・鈴芽(すずめ)は、「扉を探してるんだ」という旅の青年・草太に出会う。災いが訪れてしまう扉を閉めて鍵をかける“閉じ師”として日本中を旅しているのだという草太だが、二人の前に現れた謎の猫・ダイジンが「すずめ すき」「おまえは じゃま」としゃべり出した次の瞬間、草太はなんと、小さな椅子に姿を変えられてしまう──!

逃げるダイジンを追いかけるすずめたちの前で、次々に開き始める扉。不思議な扉と小さな猫に導かれ、九州、四国、関西、そして東京と、日本列島を巻き込んでいくすずめの “戸締まり”の旅。その先ですずめを待っていたのは、忘れられてしまったある真実だった。

登場人物

画像1: 新海誠 監督最新作『すずめの戸締まり』原菜乃華×松村北斗インタビュー/ふたりが発見した“気づき”とは?

岩戸鈴芽 (声・原菜乃華)
九州の静かな町で、叔母と二人で暮らす17歳の女子高校生。広大な廃墟の中、幼い自分が草原をさまよい歩く不思議な夢をよく見る少女。

画像2: 新海誠 監督最新作『すずめの戸締まり』原菜乃華×松村北斗インタビュー/ふたりが発見した“気づき”とは?

宗像草太 (声・松村北斗)
鍵を用いて、廃墟に佇む扉を閉める旅の青年。“災い”をもたらす扉を閉めることを使命とする「閉じ師」で、日本各地に現れる扉を探す旅をしている。

すずめが見出す声

見たこともない風景、人々との出会いと別れ、驚きと困難の数々…。過去と現在と未来をつなぐ“戸締まり”の物語を描く本作で、ヒロイン・岩戸鈴芽(すずめ)役は原菜乃華。新海監督が1,700人を超えるオーディション参加者の全ての声を聞き自ら探し出した。すずめが出会う旅の青年・宗像草太役は松村北斗。

新海監督が「神と人間の融合体みたいなイメージ」と話す浮世離れした青年役も、監督自らオーディションで声を聞いて抜擢した。新海監督が見出した声でキャラクターに息を吹き込んだ原、松村が、アフレコを通じて発見した“気づき”を語る!

画像: すずめが見出す声

原菜乃華 プロフィール

2003年生まれ、東京都出身。子役として活動をスタート。近年の主な出演ドラマは「真犯人フラグ」、「ナイト・ドクター」、「ナンバMG5」など。映画は『罪の声』(2020)や『胸が鳴るのは君のせい』(2021)、『ヘルドッグス』(2022)など話題作への出演が続いている。アニメ声優初挑戦となる『すずめの戸締まり』では1,700人を超えるオーディション参加者の中から新海監督に見出された。

── 本作への参加で自分の声、声の芝居への考え方に変化はありましたか?

:自分の声を客観的に聞けるようになりました。自分の声はなんとなく嫌で苦手だったけれど、アフレコをしていく中で何度も聞かなきゃいけないから、自然と慣れていきました(笑)。演出を受け、トライアンドエラーを繰り返し、どんな声を使えばどういう感情が見えてくるのか。声の使い方がちょっとずつ分かってくるようになると、自分の声を客観的に分析できるようにもなりました。特に理由もなく嫌いだった声だけど、案外悪くないかもと思えるくらいの変化はありました。

松村:27年間、自分の声を使ってきたけれど、扱い方がめちゃくちゃ下手くそだったことに気づかされました。自分の声のほんの一部しか使っていなかったんだなと。今回は、自分で自分の声を扱うというよりも、僕が楽器で新海監督が演奏者という感じ。だから自分が演奏では聞いたことのない音やメロディーが出てきてビックリしました。演奏テクニックの凄さに圧倒されると同時に、「こんな音も出るんだ、自分」という発見がありました。

── アフレコの感想をお願いします!

:すずめは息のお芝居がすごく多くて。最初は毎回同じような表現になり、バリエーション少ない問題にも悩みました。感情表現の塩梅もすごく難しかったです。実写なら100でやるところを、声でも同じようにやると観ている側は苦しく感じると教えて頂いたので、聞き心地のよい、苦しくなりすぎない、でもちゃんと感情は伝わる“程度の調整”がすごく難しくて…。数字で言うなら70くらいのお芝居が一番難しかったけれど、アフレコは本当に楽しかったです。

松村:すごく楽しいし、燃えました。どんどん積み重ねていく仕事というのかな。すごく作り込むもので、芸術的なパフォーマンスだと強く感じるところがありました。調整して録り直してを繰り返し、どんどん何かをプラスしていく。そのプラスしていく感じにどんどん燃えていきました。すごく楽しかったです。

── お二人の笑顔からも楽しさが伝わってきます。

:新海監督のディレクションは丁寧なだけでなく、すごく楽しいんです。私の声は珍しいと言われることが多く、誰かに似ていると言われないのがすごく嫌でした。「人と違うのっていいじゃん!」って言う人もいるけれど、私は人と違うことが不安で。「あまりいない声だよね」と言われるたびに、嫌だなと思っていました。

でも、新海監督とのやりとりを通じて、自分のいろいろな声を聞くことができ、その声を使っていろいろな表現ができたことがすごくうれしかったです。

松村:楽しかったけれど、楽だったわけじゃないです。でも、楽なことだけじゃ楽しめないじゃないですか。個人的には苦楽の割合で言うと、7:3、もしくは8:2で苦が多いほうが、結局楽しい気がしています。今回のアフレコは8:2ないしは9:1。かなり苦しみ抜いて作り出しています。苦しかったけれど、今は完成版を観るのが待ち遠しくて。自分だけのことで言えば、正直自信はないです。

今回に限らず、常に自信がないタイプなので。だけど今回は、自分が所持していた松村北斗という楽器を新海監督が奏でてくれている。なので、今までの新海監督の新作を楽しみに待つのと同じ気持ちでいられます。新海監督が選んでコレクションして並べた音なら間違いないって思える、それぐらいの信頼関係は生まれた現場でもありました。

すずめの戸締まり
2022年11月11日(金)公開

日本/2021/ 2時間/東宝
監督・脚本・原作:新海誠
声の出演:原菜乃華、松村北斗
©2022「すずめの戸締まり」製作委員会

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