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【大予想】男優部門はこの人たちに注目!
主演男優部門
コリン・ファレル
『イニシェリン島の精霊』で主演男優賞候補入り間違いなしと評判のファレルは、すでにカンヌ国際映画祭で男優賞を受賞。心優しい男だが、パブで毎日同じことを繰り返すことに何の不満もないパードリックを演じるファレルは、彼の純粋さと向上心のなさを同時に演じながら、自分と縁を切った親友に複雑な感情を抱き始める微妙な変化を繊細に演じる。
ブレンダン・フレイザー
ベネチア国際映画祭で見事な演技派俳優への転身を披露したフレイザー。かつては『青春の輝き』(1992)などでハンサムな若者役や「ハムナプトラ」シリーズなどでヒーローを演じていた面影を完全払拭した姿で、体重272キロという重度の肥満症に苦しむ男チャーリーの最期の5日間で起きる心の動きを熱演し、主演男優賞の本命と噂されている。
トム・クルーズ
『トップガン マーヴェリック』で36年ぶりにマーヴェリックを演じたトムは、もしかしたら久々の主演男優賞ノミネート?と評判が急上昇中。アカデミー賞が授賞式に華やかさを加えたいという意図もあるかもしれないが、超音速戦闘機に搭乗してGのかかるまま演技を続けるパワーは、ほかのどんな大スターにも真似できない唯一無二のアクトだ。
ビル・ナイ
日本が誇る巨匠・黒澤明監督の名作『生きる』(1952)を英国でリメイクした『生きる LIVING』で、オリジナルでは名優・志村喬が演じた主人公を、新たな解釈で演じきったビル・ナイが主演男優賞ノミネート確実と囁かれている。余命宣告された男ウィリアムズの“最期の仕事”を寡黙に演じるナイの静かな熱演はこれまでのベストと評されている。
オースティン・バトラー
早逝したロックのスーパースターを演じきった『エルヴィス』で一躍スターダムに上った新星バトラー。レジェンド=エルヴィス・プレスリーのカリスマ性とイメージを損なうことなく、2年も役作りに挑んで、歌唱から話し方、動作まで全方位から徹底的にエルヴィスを演じきったという本気度で主演男優賞候補入りは評論家たちからもお墨付き。
助演男優部門
キー・ホイ・クァン
あの『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984)のショーティことキー君が50代になって俳優復帰でいきなり助演男優賞本命!と評判の演技力を、A24の話題作『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で披露。カンフー・アクションも見せてくれる!
ブレンダン・グリーソン
今回の話題作『イニシェリン島の精霊』で長年の親友に突然絶縁宣言する男コルムを、時に謎めいて、時に劇的に演じるベテラン、グリーソンが助演男優賞最有力候補の一人に挙げられている。共演のコリン・ファレルとダブル受賞となるか?
ブラッド・ピット
『バビロン』でサイレント映画の大スター、ジャック・コンラッドを大人の余裕と色気で演じるピットはまさにはまり役で、本作のゴージャス感を醸し出す。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)に続いて2度目の助演男優賞を受賞するか?と噂に。
その他の男優賞有力候補たち
主演男優賞部門では『A Man Called Otto』のトム・ハンクス、『The Son/息子』のヒュー・ジャックマン、『ザ・メニュー』のレイフ・ファインズといった人気スターたちもノミネートされそうな有力候補の上位に挙がっている。
サプライズがあるとすればA24の二つの新作『Aftersun』のポール・メスカル、『The Inspection』のジェレミー・ポープといった新鋭の名前が呼びあげられる可能性も。
助演男優賞部門ではブレンダン・グリーソンの他に『イニシェリン島の精霊』からバリー・コーガンも一緒にノミネートされるかもしれない。
また『フェイブルマンズ』からジャド・ハーシュとポール・ダノの二人がW候補になる可能性もあり。『エルヴィス』のトム・ハンクスが候補になれば主演と助演の2部門同時候補という偉業になる。他に『グッド・ナース』のエディ・レッドメインなどが有力候補に残っているが、どうなるか?