1980年に映画第1作目が公開された「映画ドラえもん」シリーズ。42作目の『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』は空に浮かぶ、誰もが幸せに暮らせて何もかもが完璧な理想郷<パラダピア>を舞台に、ドラえもん達が空をかける大冒険へと飛び立ちます。本作で声優初挑戦したのがKing & Princeの永瀬廉。オリジナルキャラクターの“パーフェクトネコ型ロボット・ソーニャ”役を務めました。脚本は2023年放送のNHK大河ドラマ「どうする家康」で話題の古沢良太。「映画ドラえもん」の脚本を初めて手掛けます。TVアニメ「ドラえもん」の演出を数多く担当し、劇場版で初めて監督を務めた堂山卓見監督に作品への思いをうかがいました。(取材・文/ほりきみき)

ソーニャそのものになっていた永瀬廉

──King & Princeの永瀬廉さんがオリジナルキャラクターの“パーフェクトネコ型ロボット・ソーニャ”役として声優に初挑戦されました。永瀬さんはいかがでしたか。

ソーニャはかなり難しい役です。お芝居ができ、かつソーニャという繊細なキャラクターの声質にイメージが合う方ということで永瀬廉さんにお願いしました。ただ、永瀬さんはこの作品で初めてアフレコされるということだったので、リハーサルをしたのです。とりあえずブースの中に入ってもらい、「ちょっと声を出してみましょう」と。すると第一声から「これはいいソーニャになる」と思ったくらいイメージにぴったりの声でした。驚きましたね。

画像: ソーニャそのものになっていた永瀬廉

あとは画に合わせて話すとか、声の張り方をレギュラー声優の方々に合わせるといったテクニカルなことが必要なだけ。「のび太くんを中心にカメラを回しているけれど、ソーニャも常にいろんなところでいろんな表情をしているので、そこを押さえていただけるとありがたい」と伝えて、映像を渡しました。とはいえ、大変忙しい方ですから、落ち着いて画を見て練習する余裕はないだろうと思っていましたが、本番ではソーニャそのものになっていたのです。かなり練習したとおっしゃっていましたが、忙しくてもやるときはやる。そこが一流たる所以なのかなと思いました。

──監督からご覧になって、永瀬さんの魅力というのはどんなところでしょうか。

永瀬さんはこちらが1言ったことが10伝わっている感覚があって、そのレスポンスの早さと吸収力に驚きました。生まれながらのセンスもあるかと思いますが、それ以上に努力もされていると思います。

僕らの仕事は上がってきたものに対して、じっくり考える時間がある。煮詰まったら少し時間を置いておいて取り組むことができる。しかし、俳優さん、声優さんは現場で言われたことに対して、すぐにリアクションをしなくてはいけません。自分の中で作ってきたものもあるだろから、急に言われてもすぐに対応しなくてはいけない。大変ですよね。

永瀬さんはこの1作品、経験しただけで、立派な声優さんになったと思います。それは僕だけでなく、音響監督さんも言っていました。それくらい、吸収力が素晴らしかったのです。そして、仕事に対する情熱も半端なかったです。大事なセリフはこちらがOKだと思っても、「もう一回やらせてください」とおっしゃって、もう一回やる。そうすると、もっとよくなっている。素晴らしい方です。

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