シリーズ累計 1,100 万部突破の大人気漫画「BLUE GIANT」を原作とするアニメーション映画『BLUE GIANT』が全国公開中。本作の大ヒットを記念して立川譲監督、主人公・宮本大のサックス演奏を担当した馬場智章によるティーチインが実施された。

馬場「玉田と大の関係が、僕と石若の関係に似ている」

さらに劇中で玉田のドラムを演奏しているのが、millennium parade のドラマーとしても活躍する石若駿。玉田は最初はドラムのド素人だが、徐々に上達していくというキャラクターなだけに、監督も石若には「最初は相当下手に叩いてもらって、何回かやっていただいて一番下手な演奏を使っています」と明かす。最初の下手な演奏をする石若の演奏は、馬場も聴くと引っ張られてしまうため聞かないようにしていたそうで、「石若駿とは20年ぐらいの付き合いで、小学校3年生から同級生で一緒に演奏してきた仲なんですけど、おかしな演奏を聞いていると本当にわからなくなってくるので、初めて駿の演奏を聞きたくないなと思って全部切りました(笑)」と振り返る。

そんな馬場が演奏した大のサックスだが、監督は馬場の六本木のライブに最初に聴きにいった時、「艶っぽくて大人っぽい、エロチックな感じで、『ライブを見てみたくて来たんです』と馬場さんに話したら、『いいっすね!』と言われて(笑)」と、まるで大のようだったというエピソードも。大の音について、監督は「強くて、ちょっと割れても気にしないまっすぐな感じ。大の性格そのものなんですけど、それが音で表現されているかが重要だった」と、大の音を馬場に託した理由を語った。

いっぽうの馬場も、大の音を出すには相当苦労したそうで「普段使わないような音量と音圧でずっと演奏していた。演奏しながら喉を鳴らすんです。すると割れた音が出るんですけど、どんどん頭痛くなってきて...。1テイクとって休憩という時に、保冷剤で冷やしていました」と裏話も明かした。さらにイベント後半の客席からの質疑応答では、「実際にライブハウスを模して再現されていますが、本当に Blue Noteで聴いているような感覚がありました。再現するにあたっての苦労は?」という質問が飛ぶと、監督は「会場全体は『Blue Note』のマップをいただいて、それをベースに空間自体は作っています。あと大変だったのがマイクやスピーカーの位置。『Blue Note』の音響の方にチェックしていただいた」と明かす。

続いて、それぞれの一番好きなシーンについて聞かれると、馬場は「ライブシーンや演奏シーンの再現度もすごい高いんですけど、ファンの皆さんに支えられているという描写がリアル」だと玉田とファンとの交流のシーンをあげ、また、まさに「玉田と大の関係が、僕と石若の関係に似ている」と言い、「最後の『Blue Note』の演奏シーン見ると、所々自分たちを見ているよう。懐かしさと、自分が18〜19歳の時に一緒に演奏していた時を思い出して、感極まる感覚になる」と、お気に入りのシーンを明かした。

いっぽう監督は、雪祈の家で大・玉田・雪祈の3人が喧嘩をするシーンをあげ、「最後はバラバラじゃないかと出て行っちゃうけど、バラバラだからこそ二度とない瞬間を迎えることができる」と語った。最後には、馬場が「僕らの思い、届いてくれたんじゃないかと思います。9回観た方もいらっしゃったので、是非90回くらいみてほしいです(笑)」と語り、監督も「もっとお話したい裏話があるので、またこういうイベントに呼んでもらえたら嬉しいです!」と意気込んだ。

そんななか、サプライズで客席から原作者の石塚真一が登場すると、会場から大きな拍手で迎えられ、石塚も6回劇場で観たと言い、作品について「泣けて泣けて...。映画を観にくるたびに、机に向かう気力が7割くらい減る(笑)。こっちはイキイキ動いているから、観ているのが楽しくて。漫画は動かないけどアニメーションだとイキイキ動いていて、友情豊かに描かれていて感動します。本当にお客様あってのこと」だと、感謝の意を伝えた。

さらに昨夜、上原ひろみから「今羽田にいる」と電話があったことも明かし、「今からヘルシンキに飛ぶと。あなたの漫画の1ファンだから、漫画頑張って」とメッセージをもらったと話し、「さすがに雪祈のまねして『うるせぇ』とは言えなかった(笑)」とやりとりを明かして、会場の笑いを誘っていた。

画像: 馬場「玉田と大の関係が、僕と石若の関係に似ている」

『BLUE GIANT』
©2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 ©2013 石塚真一/小学館
全国公開中
配給:東宝映像事業部
原作:石塚真一「BLUE GIANT」(小学館「ビッグコミック」連載)

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