座長としての風格が出てきた横浜流星
──主演の横浜流星さんとは『青の帰り道』(2018)以来、6度目のタッグですが、今回、なぜ横浜さんにお願いしたのでしょうか。
僕がこの企画に参加したときにはすでに流星の主演は決まっていました。河村さんはドラマ版「新聞記者」で流星に出会い、彼をスターサンズの映画でスターにしたいと考えていたのです。
──横浜さんは京都へのロケハンに同行されたそうですね。
毎回ではないですけれど、大体が決まったところで、「流星も来る?」と聞いたら、「行きたい」「じゃあ、おいでよ」という感じでした。
──ロケハンなどを通じて、横浜さんと話したことが脚本に反映したのでしょうか。
2人ともキャリアが同じくらい。「悩んでいること、ある?」、「今、何に対して怯えを感じている?」など、いろいろ話をし、優という人物には彼自身が俳優として感じている迷いや怖れも反映されています。
すごくありがたいことに、僕たちは今、たくさんの仕事をいただいていますが、何か1つでも間違えると、積み上げてきたものが一気に崩れてしまう。僕も流星もそんな世界に身を置いているので、転落することへの恐怖をすごく感じています。優にも僕たちが抱える負荷を負わせました。
──横浜さんを『青の帰り道』の頃からご覧になってきて、いかがでしょうか。
大人になりましたね。あの頃は青さが残っていてイレギュラーなところがあり、生粋の弟キャラでしたが、今は立っているだけでもしっかり画になる。奥平(大兼)くんや作間(龍斗)くんがいることで、彼らのお兄ちゃん、座長としての風格が出てきた気がします。
─横浜さんの俳優としての魅力はどんなところでしょうか。
流星は監督を信じてついてきてくれる俳優です。こういう風にやりたいというこちらの思いを彼なりに理解して、近づけようとしてくれるところはありがたいですね。
そして、俳優部の一役者として作品に対して敬意があるところです。だからたくさんの監督から求められる役者になってきたし、結果も出しているのだと思います。
『ヴィレッジ』4月21日(金)全国公開
<STORY>
美しいかやぶき屋根が並ぶ山あいの霞門村。のどかな景観におよそ似つかわしくないゴミ処理施設がそびえる山々の間からのぞく。そこで働く作業員の優(横浜流星)は、職場と家を往復するだけの毎日で、暇つぶしといえばスマホゲームぐらい。仕事中は村長の息子である透(一ノ瀬ワタル)にいびられ、わずかな給料も母親の君枝(西田尚美)がギャンブルで作った借金の返済に消えていく。そんな母子に村人たちが向ける目は冷たかった。かつて父親がこの村で起こした事件の汚名を背負い、その罪を肩代わりするようにして生きてきた優には、人生の選択肢などなかった。
ある日、7年前に村を出て行った幼馴染の美咲(黒木華)が帰ってきた。それをきっかけに物語は大きく動き出す。
監督・脚本: 藤井道人
音楽:岩代太郎
企画・製作・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
出演: 横浜流星 黒木華
一ノ瀬ワタル 奥平大兼 作間龍斗/淵上泰史 戸田昌宏 矢島健一/杉本哲太 西田尚美 木野花/中村獅童 古田新太
配給:KADOKAWA/スターサンズ
© 2023「ヴィレッジ」製作委員会
公式サイト:https://village-movie.jp/