全世界累計興行収入は10億ドル(約1420億円)を突破し、大きな話題となっている映画『バービー』が、いよいよ今週11日(金)より日本公開となる。マーゴット・ロビーがプロデューサーと主演を務め、『レディ・バード』や『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』などを手がけたグレタ・ガーウィグが監督・脚本・製作総指揮を務めた本作。今回、本作のプロモーションのため来日を果たしたグレタ・ガーウィグ監督と、プロデューサーのデイビッド・ヘイマンのインタビューが実現。二人の貴重なインタビューをお届けします。(取材・文/奥村百恵)

ケン役ライアン・ゴズリング、実現しなかった幻のアイデア!

ーーケンもライアン・ゴズリングに当て書きして書かれたそうですね。バービーランドから人間の世界に行き、そのあとのケンの変化がとても興味深かったです。ライアンとのエピソードで印象に残っていることを教えていただけますか。

グレタ「クランクインの1年前ぐらいからライアンとはたくさん打ち合わせをしました。脚本についてはもちろん、衣装や細かいディテールに関すること、参考にできるような作品の映像クリップなどをピックアップしてくれたり、とにかくたくさんのアイデアを出してくださいました。劇中にシルヴェスター・スタローン(本人は出演はしていない)が登場したのは、ライアンと私が彼のファンだからなんです(笑)。そんな感じで、ケンたちがバービーランドを乗っ取った時に登場するインテリアや小物に関しても、ライアンはものすごくこだわって世界観を一緒に作り上げてくれました。ただ、一つだけ叶わなかったアイデアがあります」

画像1: ケン役ライアン・ゴズリング、実現しなかった幻のアイデア!

ーーどういったアイデアだったのでしょうか?

グレタ「ライアンが『ケンの家のトイレは黒いものがいい』と言ったのですが、ケンたちに乗っ取られたとはいえバービーランドに黒いトイレはちょっと似合わないですよね。彼のやりたいことはなんとなく分かったのですが、そのアイデアを却下したことを伝えたら彼は笑っていました(笑)。ただ、譲れないこだわりもありました。それはケンの衣装です。全てのシーンごとのバービーの衣装に合わせたものをケンは着ているので、色合いやデザインなどがポップで楽しいものになっています」

画像2: ケン役ライアン・ゴズリング、実現しなかった幻のアイデア!

ーー衣装を見たときのライアンの反応はいかがでしたか?

グレタ「“僕が…これを……着る…んだよね”という顔をしていました(笑)。彼の他の出演作では絶対に見られない格好なので、ライアンファンにも楽しんでいただけると思います」

デイビッド・ヘイマン(以下、デイビッド)「彼はとっても勇気がある方なんです。どんなことでも果敢にチャレンジする。今回は、グレタ監督の現場だったというのも大きく影響しているかもしれませんね。ライアンがケンを演じてくれてラッキーだったと心から思います」

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