キャストが演じて乗って暴れられるかどうかを考えて書いたセリフ
──監督オファーを即快諾されたとのことですが、この作品のどんな部分に魅力を感じたのでしょうか。
原作の世界観ですね。友情あり、笑いあり、恋愛ありの青春モノなんですが、全てド直球。シンプルに。そんな愚直な熱さに打たれ、スクリーンで表現してみたい、という想いに駆られました。
──原作は全18巻あるので、エピソードの取捨選択が大変だったかと思います。
映画は2時間で一つのストーリーラインを築かなければならない。原作のどの要素を抜き出して、どこを膨らませて行くか、この作品は本当に難しかったです。全部のエピソードを盛り込みたかったくらいで（笑）。
なのでシンプルに、出て欲しい登場人物、友情、恋愛、その濃度の高い部分を選んで骨組みを作りました。そして、マンガテイストな笑いに、芝居ならではの笑いを塗り重ねて行くという作業。何回もプロットを作り直し、どう作り込めば映画としての「Gメン」がベストな形になるかの試行錯誤は苦しかったけど楽しかったですね。
──脚本は丸尾丸一郎さんが大枠を作り、加藤正人さんが整えて、監督がセリフに細かな修正を入れられたそうですね。
丸尾さんとは個人的なお付き合いもあるので、丸尾さんが書いたらどうなるかが凄く楽しみだったんです。できあがったものを読むと、原作へのリスペクトと面白さのセンスが本当に素晴らしかった。
それをベースに、加藤先生が、映画ならではの細かいテクニックや魅せ方を駆使して2時間のストーリーにはめ込む骨組みを丁寧に作ってくださいました。この先生の骨組み作業には僕自身すごく勉強になる事が多かったです。
──監督がセリフを整えるときにどんなことを意識されましたか。
キャラクターが大事な作品ですから、どのキャラクターもキャストが実際に演じて乗って暴れられるかどうかをすごく考えました。
その段階では、まだ岸（優太）くんとは会っていませんでしたが、岸くんと親交のある（田中）圭くんから「面白くて可愛い全力少年」と聞いていました。勝太に関しては、圭くんの話から想像を膨らませた上で、これまでの岸くんの映像をずーっと見て、自分なりに彼のことを日々考えながら
ラブレターの様に書きました（笑）
