チャド・スタエルスキ監督コメント
“2人のレジェンドのために彼らに合わせたシーンを作っていったんだ”
また『ジョン・ウィック』の世界に戻ってこられて嬉しいよ。それに今回は日本に行くという夢もやっと叶ったからね。キアヌも僕も日本映画のファンだから。実際に東京でも大阪でも少しだけど撮影できたしね。
ドニー(イェン)が演じるケインの役は『座頭市』を意識しているけど、ドニーは凄いんだ。そこにジョン・ウー監督的なものや、ブルース・リー的なもの、中国的な要素を取り入れてとってもクールになった。
僕はドニーのファンだし、真田(広之)さんのファンでもある。真田さんは日本のマーシャルアーツのレジェンドのような人。だから2人のことをきちんと見せるように、彼らに合わせたシーンを作ることを心掛けたんだ。
彼らがいかにジョンにとっても大事な存在か見せたかったし。ケインとシマヅは鏡のような関係にしたかった。一方は娘のためにジョンを倒そうとし、一方は娘のためにジョンを救おうとする。
僕らはまず(シマヅの娘)アキラのキャラを作り、その後シマヅを書いて、ケインとの関係を生み出したんだけどね。何故かわからないが僕は父娘の関係に惹かれてしまうんだ。
またスタント・シーンでは凱旋門のカーチェイスの場面が難しかったから、スタントチームを誇りに思っている。それに僕はデヴィッド・リーンのファンなので、ジョンが馬で砂漠を駆ける最初のシーンは、大好きな『アラビアのロレンス』(1962)と同じ場所で撮影できたことがとても嬉しかった。
キアヌ・リーヴス インタビュー
“アクションも見てほしいけど、その裏にあるストーリーやテーマにも注目してもらえれば”
キアヌ・リーヴスが伝説の殺し屋ジョン・ウィックを演じるのは、今回の『ジョン・ウィック:コンセクエンス』でもう4回目。キアヌはこの役を演じるときに何を心掛けているのだろうか。
「アクションはどんどん洗練されたものになってきているが、一方で基本的にシンプルであることを貫いている。物語が進行していく中で、ジョンというキャラクターをもっと深く探求し、新たなキャラとの友情や関係を入れ込んでいくのも楽しい作業だ。常に何か進化しているんだ。
今回はドニー・イェンや真田広之といったレジェンドが参加してくれた。チャド(スタエルスキ監督)がドニーが出てくれれば素晴らしいものになるだろうと言って、脚本を送ったら気に入ってくれたんだ。
ヒロとは前作でも共演したかったんだけど、その時彼はけがをしていて断念したが、今回のために役を作ってもう一度お願いしたら、今度は幸いにも承諾してくれたんだ。
ヒロとは『47 RONIN』(2013)で共演したことがあるけど、また一緒に仕事できてうれしかった。彼の刀さばきは素晴らしいよ。友人の役だから彼と戦うシーンはなかったけどね」
キアヌの言うように洗練されたアクションにもいろいろなスタイルがあり、基本を守りつつ進化しているのが本シリーズの見どころでもある。
「アクション・シーンは大変だけど、素晴らしいチャレンジなんだ。試練であり楽しみ。時には銃だけで戦うこともあるし、銃とヌンチャクだったり、カーチェイスと銃だったり、様々なパターンを生み出しているが、刀に関しては今回はあまりやらなかった。
誰と戦うかということで戦い方も変わるよ。自衛しているのか、攻撃しているのか、というシチュエーションでも変わるけど、ジョンの土台にあるのは、基本的には柔道。リスクをコントロールしてその先は柔術で戦うんだ」
そしてファンに向けて、今回一番見てほしい点を聞いてみると、
「僕が好きなのはもちろんアクションなんだけど、このシリーズには良いストーリーやそこに隠されたテーマもある。今度のテーマは兄弟愛、友情、父と娘の愛情、ルール、そして“コンセクエンス”(因果応報)といったものだ。
それに自分はどんな人間なのか、どんな選択をするのか、といったことも語られているね。ユーモアもあるし。もしかしたらちょっと泣けるかも?
ということで、これは大きなスクリーンで見るべき美しいシネマだ。ぜひ劇場に見に行ってほしいね。そして気に入ってくれると嬉しい」
と語ってくれた。
『ジョン・ウィック:コンセクエンス』関連記事はこちら
『ジョン・ウィック:コンセクエンス』
公開中
アメリカ/2023/2時間49分/配給:ポニーキャニオン
監督:チャド・スタエルスキ
出演:キアヌ・リーヴス、ドニー・イェン、ビル・スカルスガルド、ローレンス・フィッシュバーン、真田広之
®, TM & © 2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.