二宮和也は人間としてすごく素敵
──たけしさんは完成した作品をご覧になって何かおっしゃっていましたか。
試写が終わるとニコニコしながら「俺の本をよく2時間でまとめたなぁ。全部入れたら3時間くらいかかっちゃうんじゃないか」とおっしゃっていました。二宮さんが演じた水島についてうかがうと、満足そうにしていらっしゃったので、ほっとしたのを覚えています。
──たけしさんが出演するという案はなかったのでしょうか。
初期の段階では“カメオで、焼き鳥屋のオヤジでワンカット”などと考えていました。ただ、“いい本にしなくては”という気持ちが強く、改稿を重ねていたので、そこまで具体化する余裕はなくなりました。
──二宮さんはご覧になって、何とおっしゃっていましたか。
試写の後でメールをもらったんですが、「やってよかった」と書いてありました。また劇場でも観てくれたみたいです。
──監督からご覧になった二宮さんの俳優としての魅力をお聞かせください。
二宮さんの芝居には余計なものがない。そんなに多くの言葉を交わさなくても理解してくれるところがあります。「この人なら、これを演じたら面白いだろうし、あれも演じられるだろう」と、彼がまだやっていないものを探して、撮ってみたくなります。何より、人としてすごく素敵。いい青年だなと思って、いつも見ています。
<PROFILE>
タカハタ秀太監督
演出家・映画監督。監督デビュー作『ホテル ビーナス』(04)でモスクワ国際映画祭新人監督部門の最優秀作品賞を受賞。テレビドラマ「赤めだか」(15/TBS)で第42回放送文化基金賞・テレビドラマ部門最優秀賞、東京ドラマアウォード 2016・作品賞(単発ドラマ部門)グランプリを受賞。ほかの監督作品に『鳩の撃退法』(21)などがある。
『アナログ』公開中
<STORY>
手作り模型や手描きのイラストにこだわるデザイナーの悟。携帯を持たない謎めいた女性、みゆき。喫茶店「ピアノ」で偶然出会い、連絡先を交換せずに「毎週木曜日に、同じ場所で会う」と約束する。二人で積み重ねるかけがえのない時間。悟はみゆきの素性を何も知らぬまま、プロポーズすることを決意。
しかし当日、彼女は現れなかった。その翌週も、翌月も……。なぜみゆきは突然姿を消したのか。彼女が隠していた過去、そして秘められた想いとは。
<STAFF&CAST>
原作:ビートたけし『アナログ』(集英社文庫)
監督: タカハタ秀太
脚本: 港岳彦
出演: 二宮和也、波瑠、桐谷健太、浜野謙太、藤原丈一郎、坂井真紀、筒井真理子、宮川大輔、佐津川愛美、鈴木浩介、板谷由夏、高橋惠子、リリー・フランキー
音楽:内澤崇仁
インスパイアソング:幾田りら「With」(ソニー・ミュージックエンタテインメント)
配給:東宝 アスミック・エース
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