イザベル・ユペールに学んで、世界に飛び立つようなキャリアを目指したい
──かつての大女優オデットをイザベル・ユペールが演じています。
イザベル・ユペールは世界各国の監督と仕事をしていて、フランスを代表する大女優です。昼間は映画の撮影をこなし、夜は舞台に出るといったこともあるようです。そんなお忙しい方ですが、お話してみると、幅広いジャンルの本を読み、多くの映画を見ていらっしゃることがわかりました。ロンドンで行われた展覧会の話になったときには「その展覧会なら私、見に行ったわよ」と言われ、好奇心の豊かさに圧倒されました。
しかし、意外にシンプルな方。物事をあまり複雑にされず、私たちとも気さくにやり取りしてくださる。女優としてだけでなく、人間としても素晴らしいと感じました。私たち若い女優にとっては学ばなくてはならない模範のような方です。私もフランスだけでなく、世界に飛び立つようなキャリアを目指したいと思いました。
──日本の観客にむけてひとことお願いします。
日本は2019年の東京国際映画祭でうかがい、『悪なき殺人』で最優秀女優賞をいただきました。その作品は私のデビュー長編作で、女優として初めての受賞。とても光栄に思い、忘れられない来日になりました。
時間はあまりなかったのですが、美しくておいしいものをたくさんいただき、日本の文化を感じる公園や庭園に行くことができたので、日本はとても詩的な国だというイメージを持ちました。
この作品のいちばん大事なことは女性たちの助け合い、連帯、シスターフッドの部分です。そこを見逃さないでいただけるとうれしいです。
<PROFILE>
ナディア・テレスキウィッツ
1996年5月24日生まれ、フランス出身。
<代表作>
『Wild』(18)
『悪なき殺人』(19) ※東京国際映画祭、最優秀女優賞受賞
『ポゼッションズ 血と砂の花嫁』(20・TV)
『Les Amandiers』(22) ※セザール賞、有望若手女優賞受賞
『Rosalie』(23)
『Red Island』(23)
『私がやりました』
TOHOシネマズ シャンテ他全国公開中
<STORY>
有名映画プロデューサーが自宅で殺された。容疑をかけられたのは、貧乏な若手女優マドレーヌ。法廷に立たされた彼女は「自分の身を守るために撃った」という正当防衛を主張する。ルームメイトの新人弁護士ポーリーヌが書いてくれた脚本のとおりに犯人を演じたのだ。マドレーヌは見事、無罪を獲得。それどころか、悲劇のヒロインとして時代の寵児となり、アッという間にスターの座へと駆け上がる。マドレーヌとポーリーヌは豪邸に引っ越し、優雅な生活を始めた。
しかしそんなある日、2人のところにかつての大女優オデットがやってきた。プロデューサー殺しの真犯人は自分で、マドレーヌたちが手にした富も名声も、自分のものだというのだと主張し、マドレーヌたちは凍り付く。いったい真相は如何に? こうして、女優たちによる「犯人の座」を賭けた駆け引きが始まる――!
<STAFF&CAST>
監督・脚本: フランソワ・オゾン
出演: ナディア・テレスキウィッツ、レベッカ・マルデール、イザベル・ユペール、ファブリス・ルキーニ、ダニー・ブーン、アンドレ・デュソリエ
2023年/103分/フランス
英題:THE CRIME IS MINE配給:ギャガ
公式サイト:https://gaga.ne.jp/my-crime/
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