世界的人気小説を映画化した『チャーリーとチョコレート工場』で知られるウィリー・ウォンカの“夢のはじまり”を描いた『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』。いまやカリスマ的人気を誇るティモシー・シャラメが主人公のウィリー・ウォンカを演じ、ウンパルンパを名優ヒュー・グラントが演じる本作で、監督を務めたのは、『パディントン』とその続編を大ヒットに導いた
ポール・キング監督。今回、本作のプロモーションのために来日したポール監督のインタビューが実現。優しくて大らかな雰囲気を放ちながら、リラックスした表情でティモシー・シャラメの魅力や撮影秘話などをたっぷりと語ってくれた。(取材・文/奥村百恵)

どのチョコレートも美味しかったので、俳優たちは“美味しそうな芝居”をする必要がなかったんじゃないかな(笑)

ーーそれはぜひ観てみたいです(笑)。話は変わりますが、劇中に登場するチョコレートがどれも美味しそうだったのですが、チョコレートの製作過程の裏話もぜひお聞かせいただきたいです。

「本作に登場するチョコレートはどれも精巧に作られていて、例えば最初の方に出てくるホバーチョコなんかは形が特殊なせいか、出来上がるまでに4時間ぐらいかかるんです。おそらく全部で900個ぐらい作ったんじゃないかな(笑)。もう一つ裏話をすると、ウォンカのチョコレートショップの中で、ウォンカとヌードルがティーカップを持って乾杯みたいな仕草をするシーンがあるじゃないですか。あのティーカップ、実は撮影する前は普通の陶器のものだったんです。だけどふと、ジーン・ワイルダーがウォンカを演じた映画『夢のチョコレート工場』で、実際に食べることができるティーカップを使っていたなと現場で思い出して、ショコラティエのガブリエラ・クニョさんに『食べられるティーカップを作ることは可能ですか?』と聞いてみたんです。すると『そのシーンの撮影までどのぐらい時間がありますか?』とおっしゃるので、『1時間ぐらいです』と答えたら、本当に1時間で見事なティーカップを作ってくれたんですよ。なのであのシーンはぜひチェックしていただきたいですね」

ーー貴重なお話をありがとうございます! 監督は劇中で使うチョコレートをたくさん食べたと伺ったのですが、その中で特に印象に残っているものを教えていただけますか。

「シルバー色の雲のチョコの真ん中に、黄色い稲妻の形をしたチョコが乗っている『ひとすじの光』という名前のチョコレートが非常に美味しかったです。パッションフルーツとマンゴーのフィリングが入っていて、あまりの美味しさに“ガブリエラさんは天才だ”と思いました」

ーー本当にパッションフルーツとマンゴーの味がしたのですね!

「そうなんです。どのチョコレートも美味しかったので、俳優たちは“美味しそうな芝居”をする必要がなかったんじゃないかな(笑)。チョコレートって人を幸せにしますよね。この映画も観ると心が温かくなるので、ぜひ劇場でご覧いただけたら嬉しいです」

監督・脚本
ポール・キング Paul King

イギリスのTV コメディ・ショー「The Mighty Boosh 」(04-07)で監督を務め、英国アカデミー賞テレビ部門新人監督賞にノミネート。2009年『Bunny and the Bull(原題)』で長編映画デビュー。監督・共同脚本を務めた『パディントン』(14)とその続編(17)が大ヒットを記録、いずれも英国アカデミー賞にノミネートされるなど高い評価を獲得。フレッド・アステアの伝記映画、ライアン・レイノルズ主演のコメディ『Everyday Parenting Tips(原題)』、『パディントン』第3作の企画が進行中。

『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』
12月8日(金)全国公開
配給:ワーナー・ブラザース映画 
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