長い下積み時代を経て『ロッキー』で一躍世界的スターになり、『ランボー』などでトップ・スターとして一時代を築いたシルヴェスター・スタローン。その後も長い間、キャリアを積み重ね、「エクスペンダブルズ」シリーズなど近年まで第一線で活躍を続けています。やはりアクション映画出演が多い印象の彼ですが、その映画人生を主なキャラクターで振り返ってみると、スタローンが様々な役を演じて分けてきたことがわかります。(文・田中雄二/デジタル編集・スクリーン編集部)
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復活の2010年代

ところが2010年代は、スタローンにとって復活の時期となった。

まずは、1980~1990年代にしのぎを削った、あるいは自分の後を追ってきた新旧のアクションスターたちをかき集め、シニア傭兵軍団のリーダーを演じた『エクスペンダブルズ』(2010)である。

その後、『エクスペンダブルズ2』(2012)、『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』(2014)と続き、最新作『エクスペンダブルズ ニューブラッド』に至る。

シルヴェスター・スタローンが演じた情熱たぎる男たち
バーニー・ロス(「エクスペンダブルズ」シリーズ)

画像: ©2010 Alta Vista Productions,Inc All Rights Reserved.
©2010 Alta Vista Productions,Inc All Rights Reserved.

ヤバイほどに最強な傭兵軍団「エクスペンダブルズ」の活躍を描くアクション・シリーズで、リーダーのバーニーを演じるスタローンは、大物ぞろいのメンバーをまとめるに相応しい貫禄を発揮。かつてはライバル視された俳優たちとも手を組んでファンを狂喜させた。

さらに、かつてのライバル、アーノルド・シュワルツェネッガーとの本格的な初共演を果たし、脱獄のプロを演じた『大脱出』(2013)が登場。こちらも『大脱出2』(2018)、『大脱出3』(2019)が製作された。

シルヴェスター・スタローンが演じた情熱たぎる男たち
レイ・ブレスリン(「大脱出」シリーズ)

画像: © 2013 SUMMIT ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
© 2013 SUMMIT ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

スタローンがライバル、アーノルド・シュワルツェネッガーと本格的共演を果たした刑務所脱走アクション。彼が演じたレイは自ら最新型刑務所に入り脱走の可能性を確かめるセキュリティ・コンサルタント。シリーズ化されたが続編はいずれもスタローン単独主演。

そしてロッキー対レイジング・ブルと言われたロバート・デ・ニーロ共演の『リベンジ・マッチ』(2013)を挟んで公開されたのが、マイケル・B・ジョーダン主演の『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)だ。

シルヴェスター・スタローンが演じた情熱たぎる男たち
ヘンリー・シャープ(『リベンジ・マッチ』)

画像: © 2013 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
© 2013 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

引退した名ボクサー同士、ビリーとヘンリーが30年来の遺恨を晴らすため、再戦を実現するボクシング・コメディ。『ロッキー』のスタローン(ビリー)と『レイジング・ブル』のロバート・デ・ニーロ(ヘンリー)が激突することでオールドファンの話題を呼んだ。

オリジナルから40年後、ロッキーも老いてかつてのライバル・アポロの遺児クリードのトレーナーとなった。一歩退いたロッキー=スタローンの姿に、時の流れを感じたファンも多い。

その間、スタローン自身も浮き沈みの激しい俳優人生を送ったが、本作では渋い演技を披露してアカデミー賞の助演賞候補となり、かつて散々からかわれたラジー賞でも名誉挽回賞が贈られた。続編として『クリード 炎の宿敵』(2018)がある。

また、ついにシリーズに終止符を打った『ランボー ラスト・ブラッド』(2019)も製作された。

シルヴェスター・スタローンが演じた情熱たぎる男たち
ロッキー・バルボア(「クリード」シリーズ)

画像: © 2015 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures INC. and Warner Bros. Entertainment INC.
© 2015 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures INC. and Warner Bros. Entertainment INC.

「ロッキー」シリーズの主人公が老年期に入り、脇に回って新世代のチャンプを育成しようとする。その若手はかつてのライバルにして友人=アポロの息子だった。当たり役のその後の人生を名演してアカデミー賞助演賞候補に。スタローンは第2弾まで出演した。

2020年代(現在)

自身の半生を振り返るNetflixドキュメンタリー映画「スライ:スタローンの物語」(2023)の中で彼は

「当然後悔はある。でも、偉大になれたはずという幻想を抱き続けるか、実際にそのチャンスをつかんだ上で失敗するか、そのどちらが健全だと思う? 映画製作は犠牲が大きい。でもほかに何もできない」

と語っている。

政界入りしたシュワルツェネッガーのように器用ではなく、ひたすら映画製作にこだわり続ける姿勢は潔いともいえる。ちなみにスタローンは、1970年代から現代の各年代において興行的にトップを獲得した映画に出演した唯一の俳優である。

この年末年始、スタローンが熱い! いま配信中の3作品

「スライ:スタローンの物語」

画像: Netflix映画『スライ: スタローンの物語』独占配信中

Netflix映画『スライ: スタローンの物語』独占配信中

ドキュメンタリー

負け犬のような青春時代を過ごしたが、やがてハリウッドの伝説になったシルヴェスター・スタローン。そんな彼が自ら半生を振り返る長編ドキュメンタリーが配信中。

スタローンに加え、アーノルド・シュワルツェネッガー、タリア・シャイア、クエンティン・タランティーノらが証言者として登場。

成功への道のりばかりでなく、父親との葛藤や早逝した息子への思い、これまで経験した失敗、挫折など知られざるスタローンの複雑な一面も描き出される。監督はトム・ジムニー。

「タルサ・キング」

初のTVドラマ主演作

画像1: Paramount+で配信中 © 2023 Paramount International

Paramount+で配信中

© 2023 Paramount International

スタローン初の主演TVシリーズが配信中。25年の刑期を終えて出所してきたギャングのドワイトがマフィア・ファミリーを追放され、オクラホマ州タルサへ。居場所を失った男が新天地で仲間を引き入れて、新たな犯罪帝国を作り上げていくクライムドラマ。

「スタローン・ファミリー」

リアリティー・ショー

画像2: Paramount+で配信中 © 2023 Paramount International

Paramount+で配信中

© 2023 Paramount International

スタローン一家をめぐるリアリティー・ショーも配信中。スタローンと妻のジェニファー・フラヴィンと3人の娘ソフィア、システィーン、スカーレットの一家にカメラが密着。スタローン自身の長年の夢を実現した企画で、一家のリアルな日常を覗くことができる。

*Paramount+は「J:COM STREAM」および 「WOWOWオンデマンド」にて追加料金無しで視聴可能

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