今年生誕70周年を迎えるゴジラ。その誕生に影響を与えたと言われるキング・コング。日米を代表するレジェンド・モンスターの歴史を追ってみましょう。(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)
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90年以上も愛されるハリウッドが生んだ巨猿

巨大な類人猿が未開の島から大都会に連れてこられ、悲劇的な結末を迎えるモンスター映画の始祖『キング・コング』(メリアン・C・クーパー、アーネスト・B・シュードサック監督)は今から90年以上前の1933年に公開され、当時空前のヒットになった。これは今も映画史に残る名作として名を残している。

余りのヒットぶりにすぐさま続編『コングの復讐』が製作され、同年のうちに公開されたが、これは原題『Son of Kong』が示すようにコングの息子が登場するもので、評価は前作ほど高くなかった。また日本でも大きな話題となり、特撮の神様で『ゴジラ』の生みの親でもある円谷英二にも影響を与えたことで知られており、それ以外にも数々の亜流作品が誕生したという。

画像: 1933年製作の『キング・コング』 Photo by Getty Images

1933年製作の『キング・コング』

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コングの人気は、1960年代に東宝が正式に米側から権利を取得し、日本の怪獣王ゴジラと初の激突を迎えた『キングコング対ゴジラ』(1962)が、2大王者の共演で記録的ヒットとなったことで再燃する。続いて1967年には『キングコングの逆襲』が製作されたが、前作とストーリー的なつながりはない。ここでは電子怪獣メカニコングが登場し、コングと戦う。

それから約10年後の1976年、今度はハリウッドが超大作としてジョン・ギラーミン監督で『キングコング』をリメイク。特殊スーツやマスクも作られたがなんとクライマックスでは12メートルサイズのコングが製作され、世界貿易センタービルに万単位のエキストラを集めて撮影された。これも大ヒットとなり、1986年には続編『キングコング2』が作られ、甦ったコングと共にここではレディコング、ベビー・コングも登場する。

それからしばらくキングコング映画は途絶えていたが、オリジナルの大ファンだった「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソン監督が2005年、満を持して現代版リメイクを敢行、高評価を得た。今回のコングはCGの時代になっていたこともあり、モーションキャプチャーで俳優アンディ・サーキスが演じたものを特殊加工。アカデミー賞では視覚効果賞、音響効果賞、録音賞を受賞している。

それからさらに10年近くが経ち、2014年に製作会社レジェンダリー・ピクチャーズがゴジラに続いてキングコングの新作計画を発表。その後、秘密機関モナークを中心としたゴジラの世界とコングの世界を交差させる企画を開発し、これがモンスター・ヴァースの構想となる。

画像: 90年以上も愛されるハリウッドが生んだ巨猿

2017年『キングコング:髑髏島の巨神』(ジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督)が公開され、髑髏島を舞台に第2次大戦中から始まる壮大な物語が展開する。これに続くのがいよいよゴジラと相まみえる2021年の『ゴジラvsコング』。『キングコング対ゴジラ』以来の2大王者対決シーンは大迫力の映像となり、コロナ下での公開ながら大ヒットとなった。ファンの熱い支持でモンスター・ヴァースは継続され、『ゴジラxコング 新たなる帝国』へ連なる。誕生から90年を超えても愛されるコングの冒険はまだまだ続きそうだ。

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