今年生誕70周年を迎えるゴジラ。その誕生に影響を与えたと言われるキング・コング。日米を代表するレジェンド・モンスターの歴史を追ってみましょう。(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)
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ゴジラやコングたちの物語はまだまだ続く! 〈モンスター・ヴァース〉10年の流れ

今回の『ゴジラxコング 新たなる帝国』はいわゆる〈モンスター・ヴァース〉の5本目の映画になります。その始まりとなったのは10年前の『GODZILLA ゴジラ』からで、その世界観は、巨大生物と特別機関モナークを基軸に展開していきますが、『ゴジラxコング』をより楽しむために、これまでのシリーズの流れを振り返っておきましょう。

『ゴジラxコング 新たなる帝国』のプロデューサーの一人、アレックス・ガルシアが

「モンスター・ヴァース10周年に『ゴジラxコング』が公開されるのはエキサイティングな出来事だ。1作目の『GODZILLA ゴジラ』から10年が経ち、本作ではクリーチャーたちの視点、特にコングの視点に多くの時間を割くことができる。ゴジラやコングのような古典的キャラと仕事をするときは毎回、映画的に新しく、新鮮で異なるものに昇華させることに挑戦している」

と語っているように、この10年で5本の映画が製作され、それぞれに共通の繋がりを保ちながら異なった楽しみ方が待っている。

モンスター・ヴァースとは/『GODZILLA ゴジラ』

まずモンスター・ヴァースとは何か。日本のゴジラとアメリカのキングコングを主人公とした、米レジェンダリー・ピクチャーズが製作する一連のシリーズ。

ハリウッドでは2度目の映画化で、2014年に公開されたモンスター・ヴァース第1作となる『GODZILLA ゴジラ』では、日本で起きた原子力発電所事故から15年後に出現した古代怪獣ムートーと、その捕食者であるゴジラの戦いを描いた。

画像: 『GODZILLA ゴジラ』

『GODZILLA ゴジラ』

ここで登場したのが、当時は秘密機関(後に公になる)モナーク。モナークはモンスター・ヴァースでは時代を越えて怪獣をはじめとする未確認生物の研究・調査を行う重要な存在となり、シリーズを繋ぎ、まとめるような役割を果たしている。またゴジラやムートーのように、核によって古代に生息していた巨大生物が甦るという設定もモナークの活動に起因するものとなっている。

『キングコング:髑髏島の巨神』

このゴジラの復活に続いて、2017年に公開されたのは『キングコング:髑髏島の巨神』。人工衛星で発見された未知の島、髑髏島が舞台で、ここに生息する巨猿コングがメインキャラ。

画像: 『キングコング:髑髏島の巨神』

『キングコング:髑髏島の巨神』

この島の生態系の頂点に立つ種ながら、爬虫類型怪獣スカル・クローラーに敗れ、コングが最後の生き残りになっている。他にもこの島にはバンブー・スパイダーなど何種もの巨大生物がおり、その中で人類であるイーウィス族がコングと共生している(このイーウィス族の末裔となるのが『ゴジラvsコング』『ゴジラxコング』に登場するジア)。

またジョン・グッドマンが演じるモナークの学者ランダもシリーズに再び関わるキャラとなる。この作品からモンスター・ヴァース構想が明らかになった。

画像: 映画界屈指の長寿人気を誇るゴジラとキング・コング、2大レジェンド・モンスター・ヒストリー

『キングコング:髑髏島の巨神』
4K ULTRA HD&ブル ーレイセット
6,589円(税込)

発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント

© 2017 Warner Bros. Entertainment Inc., Legendary Pictures Productions, LLC and RatpacDune Entertainment LLC. All Rights Reserved.

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』

そして第3弾となったのが2019年公開の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』。ゴジラ以外にもモスラやラドン、キングギドラといった古代から存在した怪獣がモナークに管理されており、モンスター・ゼロと呼ばれていたギドラとゴジラたちが対決する。

画像: 『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』

人間側のキャラでも渡辺謙扮する芹沢博士やサリー・ホーキンス扮するグレアム博士が『GODZILLA ゴジラ』に続き再登場。この作品のエンドクレジットで太古の壁画からかつてゴジラとコングが戦っていた時代があったことが判明する。

『ゴジラvsコング』

そしてついに両雄が激突する『ゴジラvsコング』が2021年に公開。ここでは前作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』に登場した少女マディソン(ミリー・ボビー・ブラウン)が再登場し、ゴジラが人類を襲うようになった理由を探ろうとする。彼女の父でモナークに復帰したマーク・ラッセル(カイル・チャンドラー)も再登場。芹沢博士の息子、レン(小栗旬)も登場し重要な役を担う。

画像: 『ゴジラvsコング』

『ゴジラvsコング』

ゴジラとコングの戦いだけでなく、本当の敵となるメカゴジラも出現し大暴れ。前作登場のキングギドラの頭部から開発されたという設定。

『ゴジラxコング 新たなる帝国』

画像: 『ゴジラxコング 新たなる帝国』

『ゴジラxコング 新たなる帝国』

そして今回の『ゴジラxコング 新たなる帝国』に繋がるのだが、その間に2つの配信シリーズも製作されている。一つはコングの生息する未知の島を舞台にしたアニメーション「髑髏島」で、もう一つが実写シリーズ「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」。

画像: 「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」 (画像提供 Apple TV+)

「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」

(画像提供 Apple TV+)

シリーズ第1作のゴジラ出現の翌年2015年を主要舞台に、『キングコング:髑髏島の巨神』に登場した先述のランダ博士の子供たちが主人公となる。このランダ家の人々の物語と過去のモナークの活動が描かれ、モンスター・ヴァースをより深く理解するために欠かせないストーリーが展開。ゴジラやコング、ムートーなども登場する。いずれも2023年に配信開始となった。

10年でここまでの広がりを見せて来たモンスター・ヴァース。今後の展開も見逃せない。

Godzilla (2014) TM & © 2014 Legendary and WBEI. All rights reserved.
King of the Monsters TM & © 2019 Legendary and WBEI. All rights reserved.
Godzilla vs. Kong TM & © 2021 Legendary and WBEI. All rights reserved.

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