(文・タナカシノブ(作品紹介)/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:© Television Academy.
本誌ライター陣が予想! 作品賞の栄冠に輝くのは?
池田敏 海外ドラマ評論家
作品賞は総合的に評価が高かったタイトルが有利。ならばドラマシリーズ作品賞は2年連続受賞した「メディア王~華麗なる一族~」と同様、今年最多のノミネーションを獲得した戦国ドラマ「SHOGUN 将軍」が本命だろう。
コメディシリーズ作品賞も、今年のエミー賞で2番目に多い23ノミネーションを獲得した「一流シェフのファミリーレストラン」がやはり本命だ。
リミテッド・シリーズ作品賞は予想が難しいが、一歩抜きん出た「私のトナカイちゃん」を「FARGO/ファーゴ」シーズン5と「トゥルー・ディテクティブ ナイト・カントリー」が追う。
清水久美子 海外ドラマ・映画・音楽ライター
ドラマ部門は「SHOGUN 将軍」(①)、コメディ部門は「一流シェフのファミリーレストラン」(②)、リミテッド部門は「私のトナカイちゃん」(③)。
3作とも一気見したくなる魅力に抗えず、見終わった後、全米での評価が非常に高いことを知った。①は歴史上の人物を基にしつつ、脚色された各キャラクターが際立っており、主演で製作者の真田広之が目を光らせた日本の描写も米視聴者や批評家を夢中にさせたことから受賞が期待できる。
②は前回のエミー賞にも輝いたが、シーズン2も失速することなくより面白くなっており、2年連続での受賞は堅そう。③は実話を基に、主人公の内面を深く掘り下げ、社会問題に踏み込んでいる内容から受賞を予想した。
タナカシノブ ライター
ドラマシリーズ部門は真田広之の主演男優賞を含む最多25部門でノミネートの「SHOGUN 将軍」で決まり。エミー賞はファイナルシーズンが強いという傾向はあれど、ロッテン・トマトの批評家スコアは99%と抜群の高評価。歴史ものという点でも一歩リードと予想。
コメディシリーズ部門は「一流シェフのファミリーレストラン」。連続受賞の多いエミー賞ということで、昨年圧倒的な存在感を示した本作の受賞が濃厚。シーズン2の評価はシーズン1以上である点も、受賞への期待値が高まる理由。
リミテッド・シリーズ部門は正直、横一線という印象だが、予想は「私のトナカイちゃん」。配信直後の異例の高評価が、昨年の「BEEF/ビーフ」に続きNetflixの受賞へと導くか—。