“とにかくビジュアルを気にしないということを毎回意識しました“
ーーどのシーンもみなさんの生き生きとした姿が映し出されていました。酒井麻衣監督と一緒にお仕事した感想を教えてください。
映像がすごくキレイですよね。監督は一つひとつの動作や表情にこだわっていらっしゃって、お芝居に関しては「こうしてください」ではなく、「こういうの、どうですか？」と提案してくださる形でした。だからすごくお芝居もやりやすかったし、面白いシーンを撮るときは笑ってくださって。僕らに寄り添ってくださるすごく素敵な監督でした。
ーーアイドルとしての大西さんはとことん可愛らしいイメージが強いのですが、今回の英二役はちょっとガサツなところもある男の子らしい男子をしっかり演じていらっしゃいました。英二を演じる上でどんなことを意識しましたか？
今回の役柄は少年感というか、男子高生のワイワイ感を出す必要があったので、とにかくビジュアルを気にしないということを毎回意識しました。アイドルとして活動しているときは、１分１秒しっかり魅せなきゃいけないって気持ちでいるけど、今回はスイッチを切るわけではありませんが、そこまでビジュアルに気持ちを持っていかれないようにしました。
経験上、僕は男子校でワイワイしていたタイプでもないから、自分の引き出しを開けつつ、自分の人生経験の中でも知らないところに踏み込んだというか（笑）。なので、いろいろ学びもありましたし、一度男子高生に戻って、こういう生活もしてみたいなって思いました。
ーー中高生時代はの大西さんはワイワイするタイプではなかったと。
本当に仲の良い子たちだけでワイワイするタイプでした。映画の中に出てくる中学時代の英二は、みんながちょっかい出して、中心にいるタイプだなって。だからあのシーンはすごく新鮮で楽しかったです。あそこはみんなから好かれる英二の人の良さが出ているなって思いました。
ーーところで英二は演じ方によっては、イヤなヤツにもなりかねないキャラクターかなと。でも大西さんが演じたことで、可愛らしい共感できるキャラになった気がします。
僕も原作を読んで、「なんでここで告白しいひんねん！」とか英二に対していろいろモヤモヤすることがありました。でも物語が進むにつれて、まだ恋を知らなくて、友情を優先してしまう気持ちや、英二が自分に対してモヤモヤしている気持ちが分かってきて。リアルな世界でもこうして悩んでいる人も多いのかなと思ったら、応援したくなる気持ちがだんだんと強くなりました。
ストーリーの中で、英二は周りのみんなの影響で変わっていきます。僕にはその姿がとても素敵に思えたので、映画をご覧になって「英二くん、もっとちゃんとしてよ！」と感じる方も多いかも知れないけど、最後まで見守ってくだされば、いつの間にか応援しているような、そんなキャラクターになっていると思います。
