Mrs. GREEN APPLEのフロントマン大森元貴とアイドルグループtimeleszの菊池風磨がW主演する『#真相をお話しします』が4月25日公開される。原作はミステリー界の新星・結城真一郎氏の同名小説。「妖怪シェアハウス」シリーズなどで独特の世界観を作り上げてきた豊島圭介監督が日常に潜む“違和感”を巧みに映し出している。公開を前に豊島監督にインタビューを敢行。主演2人について語ってもらった。(取材・文/ほりきみき)

映画が初めてとは思えない大森元貴


──原作は結城真一郎さんの同名小説で、リモート飲み会、マッチングアプリ、動画配信など、様々な現代的モチーフが登場する短編集です。それをどうやって1つの映画作品にするのかということが大きな疑問でしたが、「#真相をお話しします」というタイトルをキーワードに、映画ならではの方法で一つの長編にされていたことに驚きました。本作は『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』(2020)で組まれた平野隆さんの企画ですが、オファーされたときのお気持ちからお聞かせください。

原作は短編としてそれぞれ面白いのですが、それを1本の映画にするには、どうしたらいいのか。「百物語」形式のように、人が集まって順番に話をするなど、いくつかやり方はあるでしょうけれど、すべての話が繋がる軸となる縦の話を作って、しかもそれに起承転結を作るのはなかなか難しい。企画を聞いたときには、僕も「一体、どうやって映画にするのだろう」と思いました。

ただ、声を掛けていただいた段階では第六稿くらいの台本があり、エンディングもすでに書かれていたのです。それを読んで、「このやり方を思いついているのなら映画にできる。後参加の自分はそれに乗って、どうしたら、そのエンディングがより面白くなるかを考えればいい」と思いました。


──原作者の結城さんから何か要望はありましたか。

結城さんも映画になりようがあるのだろうかと思っていらっしゃったようで、こういうアイデアを使えば映画になると聞き、自分が作った種みたいなものを自分が想像しない形で膨らませてくれたと喜んでいただけました。

しかも、ミステリー小説家ということもあり、脚本上のトリックの緩さを指摘したり、キャラクターの動機付けの具体をアドバイスしてくださったり、さまざまなバックアップをしていただきました。


──主演はMrs. GREEN APPLEの大森元貴さんとtimeleszの菊池風磨さんです。大森さんは映画出演が初めてですが、菊池さんとは「書けないッ!?〜脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活〜」(2021年、テレビ朝日)、「イタイケに恋して」(2021年、読売テレビ)でもご一緒されています。お二人のキャスティングはどのタイミングだったのでしょうか。

僕が入ったときに大森くんは決まっていました。風磨くんのキャスティングは僕が入ってからです。

画像: 映画が初めてとは思えない大森元貴


──では菊池さんは監督が推薦されたのでしょうか。

僕が名前を挙げたわけではないのですが、風磨くんが候補に上がったときには、諸手を挙げて賛成しました。


──大森さんとはお会いしてみていかがでしたか。

以前、岡山天音くんと「I"s(アイズ)」(2018年、BSスカパー!)というドラマを撮ったことがあり、その作品のエンド曲がMrs. GREEN APPLE
の「Coffee」でした。ですからMrs. GREEN APPLEのことは知っていましたが、フロントマンの大森くんがどんな人物なのかは知らなかったのです。主演と聞いてから、ライブなどを拝見しました。

ミュージシャンには自己表現の上手な方が多い。だから演技も上手なのではないかと思っていましたが、ここまで上手いとは思いませんでした。とても映画が初めてとは思えない。お芝居に対する勘のようなものがすでにして一流という感じでした。


──菊池さんに対してはいかがでしたか。

彼の手の内というか、キャラクターがわかっているので、再会してうれしいというだけでなく、知っている人間と組めることが安心材料でもありました。初めましての人とは緊張するというか、どういう関係を作っていけるかを考えますからね。

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