現在大ヒット中の「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」。このマジカルな超大作はどうやって作られたのでしょうか。その完成までの裏側を知ってからもう一度見ると、さらに深く楽しめるかも!(文/斉藤博昭・デジタル編集/スクリーン編集部)

他にもこだわりがいっぱい!

魔法動物

新たに登場する魔法動物で最も活躍するのが、ズーウー。デザイン画だけで100点以上にのぼり、ネコ科の大型獣を基本に、トラの縞模様、ライオンのようなタテガミ、かぎ爪、4本の牙、7色の長い尻尾などが加えられていった。映像で観られるものはCGだが、撮影現場では等身大のパペットが用意され、それをパペッティア(使い手)たちが操作して、俳優たちの目印となった。ズーウーの場合は、1人が頭部を、2人が胴体と尻尾を担当。3m近い長さの尻尾を棒に巻きつけて動かしたという。

画像: 初登場のズーウー

初登場のズーウー

魔法動物で困難を極めたのは、ニュートが水獣のケルピーを手なずけるシーン。撮影は大型タンクで行われ、ニュート役のエディ・レッドメーンがワイヤーで牽引され、そのワイヤーがCGでケルピーに変換されることになった。しかし水面を滑走するアクションでは、水中で稼働する装置を使うことができなかったので、取っ手のない「あん馬」のような装置にエディを乗せ、それを4人のスタントマンが動かし、カメラがその周囲を回って撮影された。装置の前方ではパペッティアが竹馬に乗って、布製のケルピーの頭部を操作してエディの目印になった。

画像: ケルピーを乗りこなすニュート

ケルピーを乗りこなすニュート

衣装

前作でアカデミー賞に輝いたコリーン・アトウッドは、1920年代後半から1930年代前作までのパリのモードをヒントに今回の衣装をデザイン。

前作からのキャストの衣装にもアレンジを加え、ニュートの衣装はシルエットをそのままに少しタイトに変え、クイニーについては、演じるアリソン・スドルが提案したチェックの柄を採用。1930年代の格子柄の生地からワンピースが仕立てられた。

画像: クイニーのチェック柄の衣装に注目

クイニーのチェック柄の衣装に注目

アトウッドがこだわったのがグリンデルバルドで「役名がアルプス地方を意味しているので、ドイツのバイエルン地方の伝統服を参考にしたの。バイエルンに伝わる革の半ズボンの丈を少し長くして、ロングブーツに合わせたら、80年代英国で流行したニュー・ロマンチックの雰囲気も出た」と彼女にとって自信作になったようだ。

バイエルン地方の伝統服を参考にしたグリンデルバルドの衣装

小道具

魔法使いたちにとって大切な小道具といえば「杖」。

「ハリー・ポッター」シリーズから杖を作り続けてきた小道具チームのリーダー、ピエール・ボハナは今回も各キャラクターのために「一点物」の杖を制作した。クイニーの杖は握る部分が真珠で装飾されており、リタ・レストレンジの杖はブラックとシルバーの光沢がある。魔法使いを初めて演じるキャストは、杖の使い方の講習も受けたという。テセウス役のカラム・ターナーは「講習会で教わったのは、鞭を使うように杖を動かすこと。そうすると腕の先までエネルギーが伝わり、上達すると力を入れているように見えなくなる」と、その訓練を振り返った。

小道具チームのリーダー、ピエール・ボハナ

次回の予告?

今回の製作と並行して、J・K・ローリングは今後のシリーズについてちらちらと予告のコメントを出している。「次の第3作までは、とりあえずニュートが主役」、「このシリーズでは、ダンブルドアとグリンデルバルドの戦いを軸に1945年まで描かれる」、「ホグワーツを退学になった身としてニュートとハグリッドの違いを明らかにする」など、原作者の言葉は次回作への期待をますます高める!

原作者のJ・K・ローリングとエディ
Getty Images

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