昨年(2018年)11月の公開以来、驚異的なヒットを続け、すでに興収110億円を突破、2018年日本公開映画のNo.1を独走中の「ボヘミアン・ラプソディ」。クイーンの再ブーム、応援上映の盛り上がりなど、さまざまな社会現象を巻き起こしてきたが、何より特筆すべきは、人々の熱い思いは本当に世界を変えられることを実証してみせたこと。本誌読者が選ぶSCREEN大賞でも見事1位に輝き、来るアカデミー賞への期待も高まるいま、本作がたどった栄光の道のりを見つめてみよう。(文・斉藤博昭/デジタル編集・スクリーン編集部)

ゴールデングローブ賞受賞、アカデミー賞5部門のノミネート!

映画の公開当初は、クイーン世代以外にどこまで広がるか未知数だったが、「伝説のチャンピオン」など、じつは今も耳にする名曲が多かったため、若い世代も作品に親しみをもちやすく、彼らが映画を観てクイーンの偉大さを知る好循環も生まれた。高校生や大学生が、クイーンに詳しい親を誘って劇場へ行くという、他の映画ではありえないケースも多発し、「ボヘミアン・ラプソディ」は親子の絆を深める役割も果たしていたのだ!

画像: 自分の命が決して永くないことを彼は自覚していた

自分の命が決して永くないことを彼は自覚していた

クイーンの曲の魅力にとどまらず、フレディ・マーキュリーの素顔にしっかり向き合った作品の姿勢も好意的に受け止められた。人種やセクシュアリティでコンプレックスや苦悩を抱えていた彼と、家族やクイーンのメンバー、女性の恋人メアリーとの微妙な人間関係は、映画らしくやや「きれいごと」で描かれた部分もあるかもしれない。

しかし、そのあたりの匙加減が絶妙で、数々のセリフやエピソードがラストのライヴ・エイドへの伏線になって怒涛の感動をもたらしたのも確か。私生活ネタや登場する楽曲と時代の関係など、クイーンのファンから「事実とは違う」という声も上がったが、ブライアン・メイやロジャー・テイラーが製作に関わっていたことや、何より、作品全体にクイーン、およびフレディへの愛が満ちていたから、些細な反論もどうでもよくなっていった。むしろコアなファンは自身の知っている薀蓄を、映画と比較して語る喜びを満喫したのだ。

画像: 再びひとつになった彼らはライヴ・エイドの舞台に立つ

再びひとつになった彼らはライヴ・エイドの舞台に立つ

こうした「ボヘミアン・ラプソディ」への観客の愛は、ゴールデングローブ賞での作品賞と主演男優賞(ドラマ部門)を導き、アカデミー賞でも5部門にノミネート(*)。受賞を果たせば、映画と同じ感動のクライマックスとなるに違いない。

映画の冒頭、ライヴ・エイドの朝に流れたのは「愛にすべてを」。「僕のために、愛する人を見つけてほしい」と歌うフレディの想いは、ラスト近くでもう一度流れる「愛にすべてを」とともに、優しく叶えられる。その瞬間、心から「愛する映画」を見つけたと感動した人も多いだろう。映画「ボヘミアン・ラプソディ」への全世界の愛が、天国のフレディ・マーキュリーに届いていると信じたい。

画像: ゴールデングローブ賞受賞、アカデミー賞5部門のノミネート!

TOPIC3:
ジャニーズもフレディに変身!

もともとフレディ・マーキュリーは外見やファッションが個性的で、コスプレやモノマネされやすいアーティストだったが、2018年大晦日のジャニーズのカウントダウンコンサートで、ジャニーズWESTがタンクトップと胸毛で登場。7人のフレディが歌い踊る姿に、「ボヘミアン」ブームを実感したジャニーズファンも多かった?

伝説のバンド、クイーンのすべて

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