1945年に小説が出版されて以来、世界中で愛されてきたムーミンはスクリーンやテレビでも大活躍。2019年3月には緑豊かな埼玉県飯能市に「ムーミンバレーパーク」が誕生したことでも話題ですが、さらに4月からは待望の新作アニメ「ムーミン谷のなかまたち」も放送開始されるのです。ますます目が離せないムーミンが見られる作品をご紹介!(文・萩原まみ/デジタル編集・スクリーン編集部)

萩原まみ
PROFILE/フリーライター、ムーミン愛好家。著書に『ムーミンマグ物語』(講談社)。ムーミン公式サイトにてブログ連載中。

作品紹介の前に語らせて!
ムーミン映画すばらしさ

ムーミンの始まりはトーベ・ヤンソンの小説

キャラクターグッズが数多く発売され、カフェやパークといった物語を体感できるスポットも注目を集めているムーミン。その元となったのはトーベ・ヤンソンが文章と挿絵を手がけた小説と、新聞に連載していたコミックスだ。

ムーミンが今日の世界的な人気を獲得したきっかけに、アニメ作品の存在がある。日本で昭和と平成に放映されたセルアニメ、そしてポーランドで1978~1982年に制作されたパペットアニメ。とくに、1990年から放映が始まった『楽しいムーミン一家』は、日本だけでなく、ムーミンの母国フィンランドを含む全世界で繰り返し放映され、ムーミン人気の再燃と拡大に大きな役割を果たした。

では、映画はというと、最初に作られたのは、その日本のテレビチームによる『ムーミン谷の彗星』(1992)。同じタイトルのパペット劇場版もあるが、それはテレビシリーズの映像のなかからエピソードを抜き出し、再編集したものだ。「ムーミン谷の夏まつり」(2008)と「ムーミン谷とウィンターワンダーランド」(2017)も、同様の手法によるもの。

一方、テレビシリーズの流れとは別に、映画として一から独自に制作された「劇場版ムーミン南の海で楽しいバカンス」(2014)もある。

北欧を代表するスターがキャラクターの声を担当

これらの映画には、北欧が世界に誇る映画スターが声優として出演している。まず、パペット版「ムーミン谷の彗星」と「ムーミン谷とウィンターワンダーランド」のムーミンパパ役に名優ステラン・スカーシュゴード。「ムーミン谷の彗星」ではアレクサンダー、「ムーミン谷とウィンターワンダーランド」ではビルがムーミンを演じ、実の親子共演が実現した。

パペットの「ムーミン谷の彗星」では、ムーミンの気弱な友人スニフ役に、なんとマッツ・ミケルセン!「ムーミン谷とウィンターワンダーランド」のリトルミイ役にはアリシア・ヴィキャンデル。そして、日本では2019年4月から放映予定の新作テレビアニメ『ムーミン谷のなかまたち』の英語版はムーミン役にタロン・エガートン、隣人フィリフヨンカ役にケイト・ウィンスレットという豪華さだ。

ムーミンの物語の最大の魅力は、白くて丸い主人公をはじめ、個性あふれる多様な登場人物たち。また、主な舞台となるムーミン谷は、緑あふれるとても美しいところで、北欧らしい風景や自然描写もムーミン映画の大きな見どころだ。原作小説は繰り返し読むたびに新しい発見があり、大人だからこそわかる深さがある。名優たちがキャストに名を連ねているのは、そんなムーミンの世界に魅了された人が大勢いるというひとつの証なのではないだろうか。

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