編集部追記:本作は2020年5月29日の公開が予定されていましたが、新型コロナウイルスの感染状況と緊急事態宣言の延長、これに伴う政府および関係機関等の方針を鑑み、公開を延期することが発表されました。(2020年5月7日に公開されたコンテンツを2020年5月12日に一部更新しました。)
尊敬する拡樹くんと作品を作れたことがうれしい
──お互いの印象について。共演経験も多い鈴木さんと崎山さんは、本作で新たな発見はありましたか?安井さんには、お二人と共演して受けた印象を教えていただきたいです。
鈴木
「つばさくんは、ちょうど他の作品で地方を回りながら、京都に来てこの作品の撮影をしていました。すごくしんどかったはずなのに、いつもキラキラしていました。めちゃくちゃタフだと思ったし、それは今まで知らなかった一面です」
崎山
「タフなんです(笑)。他の現場でたくさんの〝初めまして〞の人に会うことで刺激を受け、その相乗効果のようにリフレッシュもできていた気がします。でも、やっぱり拡樹くんがいたのが大きかったと思います。僕にとって拡樹くんは、すごく心が許せる相手でもあり尊敬する先輩なので、一緒に作品を作れることがうれしくて。(腕を広げて)〝さあ、おいで!〞みたいな感じでいてくれるので、すごく心地いい。今回の撮影で、やっぱりすごい人だなと再確認しました。一緒に演じていても、拡樹くんのお芝居を見ていてもそのすごさを感じました。その刺激を受けて次の地へ旅立っていたんです」
鈴木
「そして、またキラキラして帰ってくるって感じでね(笑)」
安井
「鈴木くんは仏のようにすごく穏やかな方で〝鈴木神社にお参りに来ました〞という気持ちで拝んでいました。ブレないし、焦らない。どんなときも〝鈴木くんでいる〞という印象がありました。強さでブレないというよりも穏やかな柳のような雰囲気で佇んでいるという感じです。撮影初日に楽屋で〝(鈴木のモノマネをしながら)寒いから〞ってホカロンを差し出してくれたんですけど……」
崎山
「その言い方、すごいそっくり‼」
安井
「(今度は囁くような感じで)〝もし良かったら〞ってね(笑)。現場にはホカロンは用意されていたのですが、もしなかったら困るだろうなって、みんなに配るために余分に持って来る。それを自然にできる優しさ、人間の深さを感じました。そのホカロンは大事にとってあります」
崎山
「(すかさず)それ絶対、ウソでしょ〜!」
安井
「ホントだよ。大切に保管してあるよ」
崎山
「だって、カッチカチになっちゃうじゃん」
安井
「現場ではスタッフさんが用意してくれたのを使って、鈴木くんにもらったのは使わなかったもん」
──鈴木神社のお守りを大事に持っているのですね。
安井
「そうです、お守り⁉です(笑)」
崎山
「そういう気遣いが自然にできるのも、拡樹くんのかっこいいところです」
作品のテイストは『ルパン三世』をイメージ
──穏やかで温かい現場ですね。作品について伺います。軽快でコミカルなシーンとシリアスでかっこいい殺陣のシーンのバランスがいい時代劇という印象です。
鈴木
「作品のテイストは『ルパン三世』をイメージしてと監督に説明されました。普段は腰が重い人間ですが〝戦うしかねえ!〞となったときには、スイッチが切り替わる。その切り替えが作品に小気味よいテンポを出している気がしました」
安井
「監督からは、連ドラの最終回のようなイメージでと言われました。それまでの10話くらいで、いろいろな事件を解決してきて、映画版で最後の大きな事件に立ち向かう、という感じでと。新たな依頼人と出会い、そこからまた繋がりが広がっていく。総集編のような感じでワクワクしながら演じていました」
崎山
「ありそうでなかった物語という印象を受けました。死神が出てくると聞くと、ノートを出したくなるけれど……」
安井「リンゴを食べたくなったりね(笑)」
崎山
「それとは違う切り口で死神プラス探偵が描かれて、殺陣のシーンもあって。物語の中にいろいろなジャンルが散りばめられているエンターテイメント作品だと思います」
──探偵と死神。相棒を演じた感想は?
鈴木
「撮影中は胸につけていた人形の十蘭と常に会話していたので、現場に安井くんがいてくれるときのうれしさは格別でした。向き合って喋っているシーンの撮影は一番楽しかったし、いてくれてよかったです。(胸元を覗きながら)ずっとこんな風に人形に喋りつづけるのかなと思っていたので(笑)」
安井
「僕が出てこないシーンでも、人形バージョンの十蘭がしゃべっているときは、なるべく現場にいて鈴木くんをずっと見ていました」
──死神を演じたいと思っていたそうですが、その理由は?
安井
「この世のものでなかったり、コンセプトが強い役は、演じる機会もそれほど多くありません。役が決まったときは〝死神、楽しそう!〞とすごくワクワクしました。コスプレみたいで楽しかったです。ちょうど撮影中にコスプレイヤーが集まって写真を撮るみたいな日があって、その人たちからの〝なんだあのハイクオリティなコスプレは!〞という視線がとても気持ちよかったです」
──殺陣のシーンの撮影はいかがでしたか?舞台との繋がりは意識して演じたのでしょうか?
崎山
「男の子なので刀を持って戦うというだけで気分が上がりますよね。ただ戦うだけでなく、どういう気持ちで戦うのかいろいろ考えながら作り上げました。映画では新之助がどうなったのかは明かされていませんが、そこは意識しすぎずに、でも心持ちとして舞台に繋がるように、物語が進んでいくことを考えながら演じました」