第10位 『チャーリーズ・エンジェル』(2020)63ポイント
人気ガールズアクションを「ピッチ・パーフェクト2」で長編監督デビューした女優のエリザベス・バンクスが再映画化。捻りの利いたストーリーとクリステン・スチュワート、ナオミ・スコット、エラ・バリンスカら新エンジェルたちの本格アクションが痛快。
キャメロン・ディアスたちのバージョンも好きでしたが、今回も今風になっていて良かった!(男性・30)
第9位『ジュディ 虹の彼方に』(2019)68ポイント
往年の名女優ジュディ・ガーランドが最晩年の1968年、ロンドンでショーに臨む姿を通して、彼女の苦悩に迫った伝記ドラマ。アカデミー賞主演女優賞とゴールデングローブ賞女優賞をダブル受賞したレネー・ゼルウィガーの熱演と歌唱パフォーマンスは圧巻。
レネー・ゼルウィガー演じるジュディのラストのパフォーマンスには、心から感動しました。(女性・22)
第8位 『2分の1の魔法』(2020)88ポイント
『モンスターズ・ユニバーシティ』のダン・スキャンロン監督が贈るファンタジー・アニメーション。魔法が消えかけた世界に暮らす内気な少年イアンが、亡き父を魔法で復活させようと、兄バーリーと共に冒険の旅へ。家族愛や少年の成長を描くディズニー&ピクサー作品。
亡くなった父親に対しての思いや兄弟の絆、母親の愛情等、家族愛溢れる作品で涙が止まらなかった。(女性・21)
第7位 『フォードvsフェラーリ』(2019)96ポイント
1966年のル・マン24時間レースで、王者フェラーリに挑んだフォードのカーデザイナー、キャロル・シェルビーとドライバー、ケン・マイルズの実話を映画化。実車を使って再現されたレースシーンは迫力満点。マット・デイモンとクリスチャン・ベールも名演。
映画館で観ましたが、迫力ある映像と男たちの絆や挑戦、家族愛にも感動しました。(男性・33)
第6位 『ミッドサマー』(2019)139ポイント
華やかな民族衣装が彩るカラフルなビジュアルと相反する悪夢のミスマッチが話題を呼び、スマッシュヒットしたスリラー。白夜の日、スウェーデンの田舎で行われる夏至祭に参加した学生たちが、その裏に隠された狂気に直面する。ディレクターズカット版も公開。
今までにないような衝撃作!夏至祭と聞くだけで本作を思い浮かべてしまうインパクトが凄かった。(女性・27)
第5位 『ジョジョ・ラビット』(2019)145ポイント
第二次世界大戦下、ナチス青少年団の少年とその自宅に匿われていたユダヤ人少女の交流を、ユーモアを交えた温かなタッチで綴る。先入観の危うさを描く物語は、アカデミー賞脚色賞を受賞。本作でデビューした子役ローマン・グリフィン・デイヴィスが愛らしい。
ユーモアとシリアスが絶妙でこんなに愛しく切ないナチス映画が他にあっただろうかと思った。(女性・26)
第4位 『ワンダーウーマン1984』(2020)208ポイント
大ヒット作「ワンダーウーマン」(2017)の続編。あらゆる願いを叶える“ドリームストーン”が引き起こす世界の危機に立ち向かう物語は風刺的で、単なるヒーローアクションに留まらない魅力を持つ。本年1月のホワイトハウス襲撃事件を先取りしたような場面も。
アクションだけでなく、ロマンスあり、ダイアナの苦悩ありで稀に見る傑作でした。(男性・65)
アクションも凄いけど、ラブストーリーとしてもステキ!(女性・14)
第3位 『パラサイト 半地下の家族』(2019)285ポイント
英語圏以外の映画で初めてアカデミー賞作品賞に輝き、歴史を塗り替えた傑作。痛烈な社会風刺と捻りの利いたストーリーが受け、興収47億円の大ヒットに。カンヌ国際映画祭パルム・ドールとオスカー作品賞のダブル受賞も、64年ぶりの快挙。モノクロ版も公開された。
「パラサイト」には驚かされました。何回も見るとまた新しい発見があり面白いですね。(男性・62)
内容を深く知れば知るほど面白く、今まで見た映画の中でも上位です。(女性・23)
貧困層と富裕層の対比が鮮明で、予想もつかないラストに向っていくのに驚かされた。(男性・40)
第2位 『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019)447ポイント
「レディ・バード」(2017)のグレタ・ガーウィグ監督&主演シアーシャ・ローナンのコンビが、オルコットの名作文学を現代的解釈で映画化。作品賞や主演女優賞、助演女優賞(フローレンス・ピュー)など、アカデミー賞6部門で候補に。衣装デザイン賞を受賞。
ティモシー、エマはじめ豪華キャストなのが凄いというのが最初の印象。期待通りそれぞれ出演者の良さが光っていました。(女性・17)
監督、出演者全員で映画を製作しているという感じが伝わってきました。こんな素敵なことがあるでしょうか。(女性・73)
これまでの『若草物語』の映画化も見てきましたが、シアーシャ・ローナンのジョーは最高です。(女性・55)
コロナ禍により公開延期が相次いだ2020年は、10本中6本が4月の緊急事態宣言前の公開作となった。そのため、例年と単純には比較できないかもしれないが、5本が女性主人公という点は注目に値する。
昨年は女性主人公1本、一昨年は2本だったので、今年は突出している。そのジャンルも多彩な上、3本は監督も女性であり、映画界での女性の活躍を読者が違和感なく受け止めている様子が窺える。
2位の「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」は、男性社会の中で自分らしい生き方を模索する四姉妹が主人公。その姿が、女性たちの心を捉えたに違いない。この点では、9位の「ジュディ 虹の彼方に」にも通じるものがある。
また、4位「ワンダーウーマン1984」と10位「チャーリーズ・エンジェル」は、いずれも女性主人公&女性監督であり、長い間「男性のもの」と思われてきたアクション作品に対する固定観念を打ち破る出来事となった。
さらに、異色スリラーの6位「ミッドサマー」にも、「男性が女性を守る」という古い発想を覆す一面がある。読者は「女性主人公だから」と意識したわけではないだろうが、こうした時代の変化がおのずと反映されてくるのが、投票の面白いところだ。
この他、3位「パラサイト 半地下の家族」、5位「ジョジョ・ラビット」、7位「フォードvsフェラーリ」はいずれも前年のアカデミー賞受賞作であり、順当な選出。8位「2分の1の魔法」は、昨年劇場公開された唯一のディズニー・アニメであり、安定した人気の賜物と言えそうだ。