第74回カンヌ国際映画祭 オフィシャル・セレクション「カンヌ・プルミエール」部門 選出
細田守監督インタビュー
細田守 プロフィール
1967年生まれ。富山県出身。『劇場版デジモンアドベンチャー』(1999)で映画監督デビュー。その後、『時をかける少女』(2006)、『サマーウォーズ』(2009) を監督し、国内外で注目を集める。2011年にプロデューサー・齋藤優一郎と共に、アニメーション映画制作会社「スタジオ地図」を設立。『おおかみこどもの雨と雪』(2012) 、『バケモノの子』(2015)、『未来のミライ』(2018)で監督・脚本・原作を務める。
『未来のミライ』で第71回カンヌ国際映画祭・監督週間に選出、第91回米国アカデミー賞の長編アニメーション映画賞や第76回ゴールデングローブ賞のアニメーション映画賞にノミネート。さらに第46回アニー賞では最優秀インディペンデント・アニメーション映画賞を受賞した。
最強のキャスト陣が『竜とそばかすの姫』をアニメーション未開の新境地へ誘う!
『竜とそばかすの姫』は“ずっと創りたかった映画”と語る細田監督。恋愛、アクション、サスペンス要素をふんだんに盛り込み、圧倒的な速度で変わっていく世界と、本当に大切な変わらないものを描き、唯一無二のエンターテイメント映画を完成させた細田監督に、個性豊かなキャスト陣の印象を訊いた。
── 主人公すず/ベル役の中村佳穂さんの印象を教えてください。
すずとベルは同一人物が演じることが絶対条件でした。演技もできて、歌が超絶うまい人を見つけるのは不可能、奇跡だと思っていました。中村さんは音楽ファンなら誰もが知るとても魅力的なミュージシャンです。
僕自身も彼女の音楽が大好きだったので、歌の凄さは知っていたのですが、いざ、セリフを読んでもらったら、ものすごい表現力に圧倒されました。声優さんや俳優さんのようなプロフェッショナルな演技とは違うけれど、僕が求めていたのは心に届くことだったので、“見つけてしまった”と思いました。
演技経験は、小学生の頃、近所のショッピングモールでの声優体験のみとのことでした(笑)。その経験が演技に出たかどうかは別として、声を使い、演じるように歌う、その凄さが演技に活きているのだと思います。
── 竜役の佐藤健さんは監督からのオファーと伺っています。
とても重要な役なので、健くんのような魅力的な方に演じていただけて、すごく光栄でした。いつか一緒に作品をやりたいという話は、以前からしていたので、実現できることは心からうれしかったし、繊細で演じるのがとても難しい竜というキャラクターは、彼の表現力を反映できる役だと思い、出演をお願いしました。