低予算作品で大ヒットを飛ばすブラムハウス・プロダクションズ
ブラムハウス・プロダクションズは、プロデューサーのジェイソン・ブラムが2000年に設立した製作会社。ホラー映画を得意とし、これまで低予算ながら世界的大ヒットとなる作品を多数送り出してきている。中でも最も有名なのは『パラノーマル・アクティビティ』(2007)で、1万5千ドルの製作費で2億ドルに迫る世界興収をあげている。
また、新しい才能を拾い上げコラボを続けるのも特徴で、ジェームズ・ワン(『インシディアス』シリーズ)、ジョーダン・ピール(『ゲット・アウト』(2017)『アス』(2019))、ジェームズ・デモナコ(『パージ』シリーズ)、リー・ワネル(『アップグレード』(2018)『透明人間』(2020))らに監督させ、一時期低迷していたM・ナイト・シャマラン(『ヴィジット』(2015)『ミスター・ガラス』(2019))の復活にも力を貸した。1978年版『ハロウィン』の直接の続編となる同名作(2018)を送り出したりもしている。
最近も『ハッピー・デス・デイ』(2017)や『ザ・スイッチ』(2020)でクリストファー・ランドン、『ザ・ハント』(2020)でクレイグ・ゾベルといった新鋭たちの監督作を製作、ホラー映画の裾野を広げ続けている。
その一方で、『セッション』(デイミアン・チャゼル監督/2014)や『ブラック・クランズマン』(スパイク・リー監督/2018)のようなアカデミー作品賞候補になるような作品も作っており、一筋縄ではいかないのがブラムハウス・プロダクションズと言えるだろう。
ブラムハウス・プロダクションズのCEOジェイソン・ブラム
『ゲット・アウト』(2017)『アス』(2019)を手がけたジョーダン・ピール監督
もうひとつのブラムハウス新作ホラー公開中
パイロキネシス能力(自ら炎を発生させる力)を持つ11歳の少女をめぐって暗躍する邪悪な組織と、そこから彼女を守ろうと逃亡生活を続ける両親──
ホラー小説界の帝王、スティーヴン・キングの原作「ファイアスターター」は1984年にドリュー・バリモア主演で映画化されたが、今回ブラムハウスのジェイソン・ブラムとアキヴァ・ゴールズマンが同作を21世紀バージョンとして再構築することを思い立ち、新解釈で製作した最新作。
アンディ(ザック・エフロン)とヴィッキー(シドニー・レモン)には11歳の娘チャーリー(ライアン・キーラ・アームストロング)がいたが、彼女は生まれつき不思議な能力があり、成長するにつれその能力は強力になり、制御不能なものになっていった。逃亡生活を送る親子を追いかけていた政府の秘密組織はついにチャーリーの存在をつかみ、軍事利用するため親子を確保しようとする……
監督は『ザ・ヴィジル 夜伽』(日本は映画祭上映)のキース・トーマスが担当。音楽を『ハロウィン』の監督ジョン・カーペンターらが手がけている。
炎の少女チャーリー
公開中
アメリカ/2022/1時間34分/東宝東和
監督:キース・トーマス
出演:ザック・エフロン、ライアン・キーラ・アームストロング、シドニー・レモン
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