ロックの歴史を変えた伝説のアーティスト、エルヴィス・プレスリーの生きざまを描いた『エルヴィス』に注目! 幼少期からデビュー、そして絶頂期から謎の死を遂げた晩年まで。“ホンモノ”を演じきった主演のオースティン・バトラーのインタビューを中心に伝説を紹介!(文・よしひろまさみち/デジタル編集・スクリーン編集部)

“僕は彼の物真似をやるみたいな罠にははまりたくなかったんだ”

画像1: “僕は彼の物真似をやるみたいな罠にははまりたくなかったんだ”

Main Photographer:Eric Ray Davidson
Producers:Avenue B.
Stylist( Austin Butler):Jon Tietz
Groomers( Austin Butler): Jillian Halouska
Text:Masamichi Yoshihiro
Shirt - Bode  Pants - Winnie

オースティン・バトラー プロフィール

1991年8月17日、米・カリフォルニア州生まれ。「シャナラ・クロニクルズ」(2016)等、テレビシリーズを中心に活動。映画『エンド・オブ・ハイスクール』(2018)、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)で注目され、本作『エルヴィス』で初主演に抜擢。

── エルヴィスを演じるにあたり、もっとも苦労したことはなんですか?

僕がもっとも苦労したと思うことは……彼はすごいアイコン(偶像)なんだ。そして、彼は神のような地位、またはほとんど社会の壁紙みたいな地位に祀り上げられてきた。だから、本当に彼の人間性を見つけたかったんだ。

僕は、ものすごく具体的に、きめ細かく演じたかったし、膨大な量の具体性を持って、重要なモーメントを再現出来るようにしたかった。彼の人間性や、たった今それが初めて起きているみたいな自然発生的な人生の感じを失うことなくね。そういうバランスを取るのは、とても難しくなりえた。僕は彼の物真似をやるみたいな罠にはまりたくなかったんだ。それが僕にとって大きな苦労したことだったと思うよ。

── エルヴィスに共感できると思うことはありましたか?

ほとんど超自然的に似ていることもあった。彼の人生についてのドキュメンタリーを見始めた時に、僕がとても驚いたことがあったんだ。彼の母親は、彼が23歳の時に亡くなったことを知った。そして彼の母親は、彼の親友でもあったんだ。僕の母も僕が23歳の時に亡くなった。そして僕の母は僕の親友だったんだ。だから、そういう悲しみがどういうふうに感じられるものかわかっている。それはもっとも人間的で謙虚な経験の一つなんだ。

それは、「おお。それが鍵なんだ」と僕が思ったことの一つだった。それは真実だとわかっているんだ。それからは、そういった他の鍵を探し始めた。他のこともあったよ。

画像2: “僕は彼の物真似をやるみたいな罠にははまりたくなかったんだ”

僕は“ステージに上がるには、恥ずかしがり屋すぎる。どうすれば今、500人のエキストラの前に出て行けるんだ?”と思った。

エルヴィスはとても恥ずかしがり屋の子供だったということを知った。彼は昔、家族や友達のためにギターを弾いた。でも彼は“あなたたちは向こうを向かないといけない。みんなが向こうを向いたら、僕は明かりを消すよ”と言って、それから演奏した。だから、彼は生来恥ずかしがり屋なんだ。それは、僕が“オッケー。それは僕が共感できることだ”と思うもう一つの鍵だった。

彼は、70年代になってさえ、ステージに上がる時、とてもナーバスになると話していたんだよ。僕は、そういうことに常に共感出来た。そして、僕から距離があるように思えることよりも、もっともっと共感出来ることを見つけることになった。「おお、それは思っていたよりも、あまりかけ離れていることじゃないんだ」というふうにね。

── パーカーとエルヴィスの絆についてトム・ハンクスとどのように協力し合いましたか?

僕たちが、エルヴィスとパーカーとして僕たちの関係を発展させ始めた方法の一つは…トムは、彼がそれで有名なことをしたんだ。

僕たちが撮影を始めた時、彼は僕にタイプライターをくれた。彼がオーストラリアに着いた時にね。タイプライターが僕のドアのところに突然現れたんだ。僕たちは同じアパートに滞在していた。彼は僕より数階上にいた。このタイプライターは、タイプで打ったトムからの手紙と一緒に現れたんだ。トム・パーカーからのね。

その手紙は、「マイ・ボーイ…」と書かれていた。彼はキャラクターになって、この3ページの手紙を僕に書いたんだ。そして彼は「僕たちはこれから、このマシンで、こういうふうにコミュニケートするんだ」と言った。そして、彼はすべてのことを僕に話した。それから、僕はエルヴィスとして彼に返事を書いて、それを彼の部屋に送った。そして、彼は別の手紙を書いて、パーカーとして僕に送ってきた。

突然、僕たちはこれらの手紙を通して、僕たちの関係をコミュニケートし、掘り下げていたんだ。そして僕は今、とてもスペシャルな、トム・パーカー大佐からの手紙の山を手に入れた。それは、僕たちをとても助けた方法のひとつだったと思うよ。

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