"役作りの天才"同士の貴重なWインタビューが実現!
【インタビュー】クリスチャン・ベール×ロバート・デ・ニーロ
クリスチャン・ベール プロフィール
1974年1月30日、ウェールズ・ペンブルックシャー生まれ。本作のデヴィッド・O・ラッセル監督と組んだ『ザ・ファイター』(2010)でアカデミー賞助演男優賞を受賞。最近作は悪役ゴアを演じた『ソー:ラブ&サンダー』。
ロバート・デ・ニーロ プロフィール
1943年8月17日、アメリカ・ニューヨーク州生まれ。アカデミー賞2度受賞の現代を代表する名優の一人。本作のラッセル監督とは『世界にひとつのプレイブック』(2012)『アメリカン・ハッスル』(2013)などでもタッグ。
── お二人は『アメリカン・ハッスル』(2013)以来の共演だと思いますが、久しぶりに共演していかがでしたか?
クリスチャン・ベール
いやあ。とても嬉しかったし、大きな喜びだったよ。ボブ(ロバート・デ・ニーロ)は絶対的な存在だ。彼以上に象徴的な人は他にはいない。
ロバート・デ・ニーロ
僕たちは楽しい時間を過ごした。デヴィッド(・O・ラッセル監督)は愛すべきクレイジーなやり方でみんなをまとめたんだ。素晴らしいね。
クリスチャン・ベール
監督はとてもユニークなやり方をする。(デ・ニーロに)ですよね? 僕はそのやり方が大好き。あなたもそれが大好きなんだと思う。なぜなら、あなたも何度も彼の映画に出演しているから。
ロバート・デ・ニーロ
その通りだよ。
── デヴィッド監督の作品の魅力は何でしょうか?
ロバート・デ・ニーロ
彼はとても良いセリフを投げかけてくる。それは自然発生的で、即興的なものなんだ。それらすべてがそのまま映画になる。『アムステルダム』もそうだよ。彼が何かを思いつき、ギリギリになってそれに取り組まないといけなかったりするから、負担は大きい。でも、それはさっき言ったように、自然発生的なことなんだ。その瞬間、彼の頭に浮かぶアイデアなんだ。
彼がやることはすべて素晴らしい。だから、彼のプロジェクトに参加する価値があるんだ。映画が駄作にはならないことがわかっている。彼が僕に出演して欲しいと思うときは、可能ならいつだって彼の映画に出演したいと思える監督なんだ。
── お二人は常に一切妥協のない役作りで有名です。今回はどのようにキャラクターを作り上げていったのでしょうか? クリスチャンは監督と一緒に5年間構想を練ったそうですね。
クリスチャン・ベール
今作を作るのに何年もかかったんだ。僕はアダム・マッケイ監督と『バイス』(2018)を作り、ジェームズ・マンゴールド監督と『フォードvsフェラーリ』(2019)を作った。その間もデヴィッドと僕はこの映画を作っていた。それは本当に素晴らしいことだ。なぜなら、僕はバートというキャラクターを完全に自分のものにしないといけなかったからだよ。
僕の頭の中には常にバートの存在があった。デヴィッドは僕に自由を与えてくれて「バートならどうするだろうか?」と聞くんだ。映画の撮影を始める時までには、バートはもう僕の骨の髄まで染み込んでいるみたいだったよ。
ロバート・デ・ニーロ
僕もデヴィッドと一緒に過ごす時間があった。僕たちはいろいろと話をした。彼はそういうふうに仕事をするんだ。ある意味、断片的なんだ。彼はカメラの後ろにいて撮影しているときも、まだ(セリフを)書いている。時にはそこで俳優たちに最高のセリフや、最高の言い方を言ってきたりする。すごく自由な流れがあるんだ。彼の仕事のやり方はとても楽しい。
クリスチャン・ベール
普通、映画製作というのは狂気的なまでに時間に追われるものだよ。出資者とか公開予定とかの関連で、どうしたって急ぐ必要があるからね。だけど今回はタイムリミットがまったくなかったんだ。その期間に僕らは一緒に何トン分ものアイデアを注いだし、彼が僕に参考となる色々な本をくれたし、僕が良いアイデアや引用文を見つけたりもしていたね。だから、たくさんの登場人物を生み出してはボツになっているし、僕らが実際に出会ってインスピレーション源になった人たちもたくさんいたんだ。
アムステルダム
2022年10月28日(金)公開
アメリカ/2022/2時間14分/ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:デヴィッド・O・ラッセル
出演:クリスチャン・ベール、マーゴット・ロビー、ジョン・デヴィッド・ワシントン、ラミ・マレック、ロバート・デ・ニーロ
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