コリン・ファレル プロフィール(画像右)
出身:アイルランド カッスルノック/生年月日:1976年5月31日
演劇学校在学中から端役でドラマや映画に出演。社会派戦争映画『タイガーランド』(2000)へ主演しハリウッドでも高評価を得る。そこから主役も脇役もどちらでも光る唯一無二の大人気俳優として、長年最前線で活躍中。新作『イニシェリン島の精霊』では長年の友人から突然拒まれる男パードリックを演じ、本作ではゴールデングローブ主演男優賞を受賞。
ブレンダン・グリーソン プロフィール(画像左)
出身:アイルランド ダブリン/生年月日:1955年3月29日
王立演劇学校で学び、小学校の教師をする傍ら舞台俳優として活動。35歳の時『ザ・フィールド』(1990)で映画デビュー。『ブレイブハート』(1995)でメル・ギブソンの右腕ハミッシュを演じ、名バイプレイヤーっぷりに注目が集まった。また「ハリー・ポッター」シリーズのマッドアイ・ムーディ役でもお馴染み。新作『イニシェリン島の精霊』では主人公の友人コルムを演じ、第80回ゴールデン・グローブ賞で助演男優賞にノミネート。
(コリン・ファレル インタビュー)
“マーティンは驚異の脚本家です。今さら、と言いましたが、今や常識なのです”
── マーティン・マクドナーの脚本が届いたときは、どんな心地でしたか?
この話の別バージョンを6〜7年前にマーティンからもらいました。詳細もおぼろげです。ですが、この最終版脚本は、その長い間マーティンの中で成長していたのです。この最終版は、撮影の1年くらい前にもらいました。大幅に変更になっていましたが、どちらのバージョンもすごい脚本でした。
私が今さら言うまでもありませんが、マーティンは驚異の脚本家です。今さら、と言いましたが、今や常識なのです。それに、マーティンの脚本には意地の悪さというものがありません。悪意がないのです。登場人物には、ひどく残忍な悪人もいます。顔面蒼白になるような事件も起こります。ですが、マーティンの発想や、脚本そのものには悪意のかけらもありません。
── マーティン・マクドナーの映画に出演することの面白さはなんですか?
マーティンにはいたずら心があり、寛大でもあります。とても大胆で、頭をくらくらさせられます。何かに対して熱く燃えると同時に、とても真剣に、情熱的に、目標を達成させようとします。目標を達成させるためにするべきことも分かっています。
マーティンは全力を投じます。舞台の稽古場であろうと、脚本家兼監督として映画を撮る場合であろうと、作品を仕留めるために全力を注ぎます。マーティンには驚異的な映画的な視点があり、その作風は、くせにならざるを得ないのです。前にタッグを組んだ2作品より、今は一層強くそう感じています。
マーティンは、より自信を深めていますが、いつもの繊細さは少しも失っていません。というよりも、その自信がゆえに、より聞く耳を持つようになり、他の人の持ち寄るアイデアに、今まで以上に興味を示していました。
── イニシェリン島の住人はどんな人々と言えますか?
誰もがひとくせ持っています。この映画では、島が舞台になっていますが、島であろうと、街なかであろうと、マーティンの映画ではいつでも、登場人物の抱える波乱万丈な物語が繰り広げられます。誰もが、どこかによくいそうな人物ですが、そんな人々が寄り集まり、混沌を生みだします。あんな発想が、マーティンのどこから出てくるのか、想像もつきません。映画が形になってくると、狂気と無秩序の中に、深淵と感動が見えます。
この映画は人類全体の物語であり、忠誠と友情、そして、孤独、悲しみ、死、嘆き、暴力といったテーマについて掘り下げています。残念なことに、時として、こうしたテーマは、人類の問題として、誰にでもあてはまってしまいます。だからこそ、この映画に心を打たれるのです。
『イニシェリン島の精霊』
2023年1月27日(金)公開
舞台は本土が内戦に揺れる1923年、アイルランドの孤島・イニシェリン島。パードリックは長年の友人であるはずのコルムからある日突然、絶縁を告げられる。理由がわからず戸惑うパードリックは、実妹であるシボーンや隣人ドミニクの助けを借りてコルムとの関係の修復を試みるが…事態は衝撃的な結末へと向かっていく。
監督: マーティン・マクドナー
出演: コリン・ファレル、ブレンダン・グリーソン、ケリー・コンドン、バリー・コーガン
配給: ウォルト・ディズニー・ジャパン
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