全世界で歴史的ヒットとなった『トップガン マーヴェリック』(2022)から1年。今年の夏もトム・クルーズが帰ってきます。今度の新作は、トムのもう一つの代表作「ミッション:インポッシブル」シリーズ最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』。イーサン・ハントを取り巻く個性豊かなキャラクターたちと人間関係を相関図でチェック! また今回の物語のカギを握る新キャラクター、グレイスを演じるヘイリー・アトウェルに、出演までの経緯やトム・クルーズとの撮影秘話を明かしてもらいました。(ヘイリー・アトウェル インタビュー:文・よしひろまさみち/デジタル編集・スクリーン編集部)

今回のキーマン、ヘイリー・アトウェルに聞く撮影秘話

“MI”シリーズも終盤にさしかかり、ヒロインはレベッカ・ファーガソン演じるイルサで幕引きか……と思われていたが、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』で突如現れることになったのがグレース。

どうやらイーサン・ハントとあることをきっかけに共闘関係になる、らしいのだが。謎の女性・グレースについて、演じたヘイリー・アトウェルに聞く。

「トム・クルーズは 心から人の成功を願う人」

─オーディションのプロセスを教えてください。

監督とトム・クルーズに「まずはこの作品の作り方について賛同してくれる俳優をキャスティングしたいと思っている。それからキャラクターを創ることになる」と言われました。まずそんなことはありえないですよね(笑)。

でも彼らは「徹底的に対話し、準備して、あなたについて研究する過程で、自ずとグレースという人物像が出てくるはずだ」っていうんですよ。正直言って変わっている、と思いました。

─では、グレースはあなたへの当て書きキャラクター?

うーん、そうともいえるし、違うとも言えますね。というのも、制作サイドは、メインキャストとなる俳優を新たに探すうえで、これまでに登場していない全く違うタイプのヒロインを探してたみたい。

監督はカメラテスト用のスパイ・アクション・シーンの台詞を用意してくれて、それをトムと何度もカメラテストをしていったのだけど、「彼女が何か情報を隠し通しているかのような表情でお願い」とか、「ここは隠し隔てなく、かつ繊細な感じで」などと様々な指示がバンバン飛んできた。

で、監督とトムからは「こういう進め方でかまわない?」と聞かれたんですね。私としては、自分が舞台に立っていた頃を思い出したので、とても楽しかったし、あれこれ試すゆとりがあるので、自分にはぴったりだったんですよ。

そこからいいものを拾って、どんどん引き出していくという具合に、グレースという人物像ができていったというわけ。

─言える範囲でいいんですが、グレースはスパイ?

IMFでもMI6でもCIAでもありません。エージェントじゃないんです。その点では、イルサとは全然違った人物像ですよね。

─トムとの共演はどうでした?

じつは、トムとの共演につながる作品のオーディションは、以前にも2回ほどあって、いずれも出演にはつながらなかったのだけど、その時すでにトムの寛大さと熱心さには驚いていました。

オーディションには他にも俳優も大勢きていたけれど、一つ一つのセッションに集中してくれるし、ちゃんとこちらを見てくれる。そして、こちらが自由に試行錯誤できるように、安心安全な環境づくりを配慮してくれる。そういうポジティブなコーチだから、役を獲得できなかったとしても、「とても良い経験になった」と思えるんです。

今回もスクリーンテストの時からあれこれ意見を聞いてくれるし、それに対するフィードバックもとても丁寧だったので、作品を一緒に作っている感じがしましたね。トムに対する印象が特に変わったわけではないけれど、彼の映画作りにかける情熱に改めて感心しっぱなしでしたよ。

朝一番、スタントの前後、社交の場、他の映画に対する感想や祝福を述べる時など、ありとあらゆるところでその情熱を感じ取ることができるから。

それで、撮影中、「今、私、トム・クルーズの映画に出ている!」とふと我に返ったことがあったのだけど、そんな私にトムは「いや、僕がヘイリー・アトウェルの映画に出ているんだよ!」などと、とても謙虚な姿勢を見せてくれるんですよ。

心から人の成功を願う人だし、「私のことを見てくれているし、聞いてくれている」と、そういう実感を持たせてくれるんです。

─共演したアクションシーンで一番の思い出を。

垂直に傾いている列車を6秒間で駆け上らないといけないシーンがあったんだけど、もう私はヘトヘト。でも、疲れ知らずのトムは「もう一回撮ろう!」というんです。

でも、彼は人のテンションを読み取ることもできるので、「大丈夫?」などと丁寧に聞いてきた。私が困惑した表情を見せたら「アドレナリンが切れたのかもしれないね。チョコを食べなよ」と、チョコを一カケくれたんですよね(笑)。

スタントに長けているトムだけど、そうやって必ずこちらのペースも配慮してくれるし、とても健全な現場を作ってくれる。だから、こちらもあれこれ挑戦したくなるんです。

ニュース!
トム・クルーズ、7月に来日決定!

『ミッション:インポッシブル』最新作を引っ提げて、トム・クルーズが7月に来日することが決定した。来日は昨年の『トップガン マーヴェリック』以来1年2か月ぶり。これがじつに通算25回目の来日となる。

来日を前にトムからのコメントも到着。「『トップガン マーヴェリック』を私の主演映画の日本歴代興収1位にしてくださり本当にありがとうございます。皆さんのために映画を制作しています。家族や友人とたくさんご覧頂いたと聞き、とても幸せです」とまずはファンへお礼を語り、

「7月に日本に行きます。『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』のこれまでに見たことのない映像を映画館で体感してください。来日は25回目ですがいつも皆さんに会えるのがとても楽しみです」と最新作への大きな自信を覗かせている。

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『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』
2023年7月21日(金)公開
アメリカ/2023/配給:東和ピクチャーズ
監督:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴァネッサ・カービー、イーサイ・モラレス、 ポム・クレメンティエフ、ヘンリー・ツェニー

©2023 PARAMOUNT PICTURES.

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