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それぞれの役柄をどのように捉えていたのか
ーー本作への出演が決まった時の心境からお聞かせいただけますか。
福原「お話をいただいてから原作を読んだのですが、ものすごく感動する内容だったので、声をかけていただけてとても嬉しかったです。
監督からは初対面の時に『百合を任せます』という言葉をかけていただいたので、いい意味でプレッシャーを感じましたし、原作が持つメッセージをしっかりと伝えられるように演じなければと思ったのを覚えています」
水上「僕は親族が広島にいて、僕自身も長崎の高校に通ったことがあったのと、小学3年生の時に夏休みの課題で原爆ドームの絵を描いたりしていたので、本作のお話をいただく前から“戦争”と向き合う機会が結構あったんですね。
なので特攻隊員の彰という役に不思議な縁を感じましたし、福原さんと同じく、どうすれば本作のメッセージをちゃんと伝えられるのかをものすごく考えながら役作りしなければと思いました」
ーーお二人はそれぞれの役をどんな風に捉えて演じられたのでしょうか。
水上「僕はあえて原作を読まず、台本から彰の人物像を深く探っていきました。なぜ読まなかったのかというと、壮大な物語を2時間程度にまとめたものが映画なので、原作の彰とは別物になってもいいと思ったからなんです。
今回に限らず、原作に寄せようと意識したのはドラマ『中学聖日記』ぐらいで、いつもは台本を頼りに役作りしているのですが、本作の台本の彰からは少しミステリアスな印象を受けたので、“こういうキャラクター”だと決めすぎないように演じていました」
ーー確かに彰は他の特攻隊員とは少し違うというか、どこか掴みどころのない人だと思いました。
水上「彰はもしかしたら百合と同じように現代から1945年にきたのかもしれないですし、百合が時空を超えたことを知っているかもしれないですよね。もちろん、そういったことは劇中では描かれないので真実はわかりませんが、お客さんにもいろんなことを想像してもらえるように演じていたところはあります」
ーー福原さんは原作を読まれたとのことですが、本作の百合をどんな風に作り上げていかれたのでしょうか。
福原「原作の百合は中学生なのですが、映画では高校生だったので、いまどきの高校生はどんな感じなのかをリサーチしました。あと、百合は自分の意見をはっきりと言える女の子なので、芯の強さみたいなものを大事にしながら演じていました」
ーーもしも自分が1945年の戦時中の日本に突然いたらパニックになるのではないかと思ったのですが、百合は割と早い段階で状況を受け入れていたように見えたので、とても芯の強いしっかりした方なんだなという印象を受けました。
福原「原作だと百合が自分の置かれた状況を受け入れるまでに少し時間がかかっていたので、そこで気持ちの整理をしたんじゃないかなと想像しました」
水上「尺の問題でそこは映画では描けなかったんだと思います。もし気になる方は原作を読んでいただけたらと。僕も百合がどうやってこの状況を受け入れていったのか気になるので読んでみようかな(笑)」