ベストセラー作家となった男が最愛の人を蔑ろにした翌朝、彼女と出会っておらず、しかも、ふたりの立場が逆転した〈もう一つの世界〉に放り出されてしまう。『知らないカノジョ』は中島健人が主演を務め、映画初出演のシンガーソングライターのmiletと共演したファンタジックラブストーリーである。公開を前に三木孝浩監督にインタビューを敢行。キャストとの役作りや演出、ロケーション選びなどについて語ってもらった。(取材・文/ほりきみき)

ガロアスはリクが考えているカッコいい男像


──中島さんはリクが書いた小説「蒼龍戦記」のガロアスも演じています。ガロアスとリクはキャラクター的には近いのでしょうか。

キャラクター像は違います。むしろ、彼女を捨てて、敵に向かっていくガロアスはリクが考えているカッコいい男像だと思います。カッコいいと思っているから小説に書いている節がありますが、そうじゃないんだぞということに気付くというのが今回の物語です。

画像: ガロアスはリクが考えているカッコいい男像


──「蒼龍戦記」のパートの作り込みが本格的ですね。本作は本編ではなく、「蒼龍戦記」から始まるので、一瞬、見る作品を間違えたかと思ってしまいました。撮影にも力が入っていたのではないでしょうか。

その感じで作品を観始めてもらうのが狙いです(笑)。

「蒼龍戦記」のシーンは寒い時期にホテルの廃墟みたいなところで1日で撮影しました。そこでmiletさんは銃を背負ってダッシュするので、体力的にも大変だったと思います。健人くんは燃えていましたけれどね(笑)。


──本作でご一緒してみてわかった中島さんの俳優としての魅力はどんなところでしょうか。

自分が思い描く理想像を完璧に磨き上げて作り込んでいくことは元々できる方だと思いますが、そうではない、ふっと力を抜いて、合気道のように相手から出るものを活かして自分も出していく方法を今回、手に入れた感じがしました。彼の中で演技の幅が広がったのではないでしょうか。


──次に中島さんと何かご一緒するならば、どんな役を演じてほしいと思いますか。

リクとは真逆な冷たくて鋭いサイコパスの役とか見てみたいですね。

「蒼龍戦記」のガァーっと決める感じを楽しそうにノリノリでやっていましたから、そういう健人くんが楽しめる役どころも面白いかもと思いました。

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