UNSTOPPABLE ACTORS 10 〜 世界を虜にするハリウッド俳優たち〜【 PART １】

内からあふれる知性と、揺るがぬ気品
ケイト・ブランシェット

1969年5月14日生まれで、母国のオーストラリアで舞台のキャリアをスタート。映画では97年にレイフ・ファインズと共演した『オスカーとルシンダ』で世界的に知られるようになる。翌98年にエリザベス1世を演じた『エリザベス』でアカデミー賞主演女優賞にノミネート。04年にキャサリン・ヘップバーンを演じた『アビエイター』で同助演女優賞、13年のウディ・アレン監督作『ブルージャスミン』で同主演女優賞を受賞と、ハリウッドでも絶対的な評価を築いた。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ（01〜03）や『マイティ・ソー バトルロイヤル』（17）など超大作にも積極的に参加。近年は『TAR/ター』（22）での傲慢な面も持つ指揮者役の演技が絶賛を集めた。どんな難しい役にも説得力を与える演技によって、つねにオファーが絶えない存在。UNHCR（国連難民高等弁務官事務所）の親善大使を務め、2024年のカンヌ国際映画祭ではパレスチナの国旗と同じ色のドレスでイスラエルのガザ侵攻に抗議するなど、社会活動にも積極的。劇作家の夫との間に3人の息子がいて、現在も自宅はオーストラリアのシドニーに構えるなど、ハリウッドとは一定の距離も置いている。

『ブラックバッグ』【 9/26（金）公開 】

スティーヴン・ソダーバーグ監督の最新作で、ブランシェットは英国諜報機関の諜報員役。マイケル・ファスベンダーが演じる夫も同じ機関に属しており、その夫が内部にいる二重スパイを暴こうとする物語で、妻にも疑惑の目が向けられる。ブランシェットはプロの諜報員としての冷徹な言動や、上層部への挑発などでクールビューティぶりが全開。夫への愛がどこまで本気なのか、そして本心では何を考えているのか……。観ているこちらの心を最後までザワつかせる。

『ブラックバッグ』　配給：パルコ　ユニバーサル映画
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近況１）
4月のインタビューで俳優業の引退を示唆したブランシェット。「人生でやりたいことはたくさんある」と他の仕事への意欲を明かした。2023年にも引退を考えていることを告白しているが、6月に配信された「イカゲーム」シーズン3のラストに登場し、同シリーズのアメリカ版への橋渡しを匂わせたりと、まだまだ周囲は彼女を引退させてくれそうもない。

近況２）
今年のアカデミー賞授賞式を受けて、ポッドキャストの番組でブランシェットは、「授賞式が生中継されるべきではない」という持論を打ち明けた。TV放送がなかった時代には、出席者たちも視聴者やメディアを気にせず、リラックスできたはず……と、他のスターには絶対に言えない本音を、嫌味ではなく真摯に、誠実に語れるのも彼女ならでは。

近況３）
レッドカーペットでは何度も同じドレスを着回すなど、「無駄をなくす」「環境にやさしい」姿勢を徹底するのがブランシェットのポリシー。6月には、その志を同じにする英国のウィリアム皇太子と一緒に、サステナブルファッションに貢献するConflix社を訪問。天然由来の染料の開発や、有害物質の流出削減の技術を目の当たりにした。

▼着まわすだけでなくリメイクもするケイト様！

近況３）「かもめ」
2月の終わりから4月初旬まで、ロンドンのバービカン・シアターで上演された、チェーホフの名作「かもめ」はブランシェットにとって6年ぶりの舞台出演。大女優アルカージナ役の演技が絶賛され、全公演ソールドアウトに。

▼「かもめ」でアルカージナ役を演じたケイト様

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