UNSTOPPABLE ACTORS 10 〜 世界を虜にするハリウッド俳優たち〜【 PART １】

静けさの中に燃える、優しきカリスマ
イドリス・エルバ

父親はシエラレオネ、母親はガーナ出身で、1972年9月6日ロンドンに生まれる。移民2世として夜間の工場で働くなど苦労を重ね、ナショナル・ユース・ミュージック・シアターで演技を学ぶ。20代前半からイギリスのドラマに出演し始め、2001年にハリウッドに渡る。TVシリーズ「THE WIRE/ザ・ワイヤー」（02〜04）で注目され、『アメリカン・ギャングスター』（07）などを経て、『プロメテウス』（12）、『パシフィック・リム』（13）などの大作で活躍。『マイティ・ソー』（11）のヘイムダル役ではMCUの複数の作品に登場した。英BBCのドラマ「刑事ジョン・ルーサー」（10〜19）でゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞。ネルソン・マンデラ役を熱演した『マンデラ 自由への長い道』（13）といった骨太な作品から、『ワイルド・スピード／スーパーコンボ』（19）、『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』（21）などのブロックバスター作品まで、幅広いジャンルでキャリアを重ねる。2018年にが米ピープル誌の「最もセクシーな男性」に選出。一時、「007」の新たなジェームズ・ボンド役の候補と報じられたこともあった。DJやミュージシャンの顔も持つ。

『ヘッド・オブ・ステイト』【 配信中 】

エルバが英国首相サム・クラーク、ジョン・シナが米国大統領ウィル・デリンジャーという配役で、2人が恐るべき武器商人の標的となる痛快スペクタクル映画。デリンジャー大統領は元ハリウッドスターという設定なので、映画ファンが楽しめるツボがぎっしり。水と油のごとく反発する両首脳の関係はコメディ色も強いが、そんな2人が共闘する流れは胸アツで、次から次へと用意される驚異のアクション場面で、エルバの活躍がカッコよすぎ！

『ヘッド・オブ・ステイト』　Prime Videoで独占配信中
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近況１）
英国のチャールズ国王がNetflixのドキュメンタリーに登場することが6月に発表された。国王の名を冠した慈善団体「ザ・キングス・トラスト」の設立50年を記念して作られるこの作品に、エルバはプロデューサーとして全面協力。若い頃、同財団からの助成金で彼は演技を学ぶことができたので、その恩返しというわけだ。作品は2026年秋に配信予定。

近況２）
MOBO（ミュージック・オブ・ブラック・オリジン）による「Paving the Way（道を切り拓く）」アワードの一環で、エルバの母校であるバーキング＆ダゲナム・カレッジの入り口に、彼を記念した敷石が設置。その式典が、同カレッジの「イドリス・エルバ・スタジオ」で6月に行われた。敷石には「（自分に）ラベルを貼るな。ラベルは缶詰のためのもの」という言葉が刻まれている。

近況３）
ナイフによる犯罪の撲滅のため、エルバは「Don’t Stop Your Future（DSYF）」という運動を続けており、2024年9月には英国のスターマー首相に面会して運動への協力を取り付けた。そしてクリスマスにロンドンのトレンド地区、ショーディッチにDSYFのポップアップストアをオープン。収益を慈善団体に寄付するなど積極的な活動を続行。

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