日本をはじめ世界各国大ヒットを記録。第96回アカデミー賞®️では、アジア圏映画初の視覚効果賞を受賞した『ゴジラ -1.0』。あの熱狂から2年、いよいよ第2弾『ゴジラ -0.0』が11月3日より公開される。キングギドラの登場、「Filmed For IMAX」採用などよりパワーアップした最新作を山崎貴監督・神木隆之介・浜辺美波に語ってもらった。(インタビュー、文・神武団四郎/写真・野口貴司(San Drago)

山崎貴/監督・脚本・VFX

MAXシーンになると画面の縦サイズがシネスコの倍近くになるので、
画角の変化に合わせた絵コンテ作りから
VFXのレンダリング作業までとにかくたいへんでした

── 製作にあたり意識したことは何ですか?

「基本的にVFXは物語に寄りそうべきだと思っているので、まずは物語をどうするか。怪獣が出てくると人間側は傍観者になりがちなので、怪獣の話だけにならないように意識しました。対怪獣作戦は前作でもお願いした後藤一信さんに協力いただき、細部を詰めていきました。VFXに関しては、着ぐるみにはできないことをやらなければいけない。CGでゴジラを描くことの意義は何だろう、ということです」

── 新たにキングギドラが登場します。

「単純にキングギドラが好きなんですよ(笑)。僕は1964年の辰年生まれですが、キングギドラが『三大怪獣 地球最大の決戦』で初登場したのも同じ64年なので親しみがあるし、首が3つもあるところも大好きです」

── キングギドラのデザインのポイントは何でしょうか?

「鳳凰のような神々しい鳥のように見せたかったので、2本の尻尾を長くして間に膜も付けました。それと伊藤若冲の鶏も参考にしたんです。ジャンプして体をひねった時も、若冲の絵のように何か得体の知れなさもイメージしました」

── 怪獣が増えたことでVFXも大変になったと思います。

「少し動いただけでいろんなものが壊れ、土煙が上がるし、熱線による爆発などエフェクトが必要なカットが山ほどある。その作業は全部スタッフが手作業でやらなければならないので、エフェクトのスタッフをかなり増やしました。前作以上にハードな日々だったので、完成してほっとしています」

── 敷島家を中心にした人間ドラマも見どころでした」

「実は骨子の部分は前作のプロットに入っていたんです。その基本構造をベースに、どうやったら面白くなるか延々と組み立てていった感じです。前回は敷島がずっと抱えてきたものを乗り越えていったので、今度は典子が命の代わりに背負ったものに対し敷島がどう動くかを中心に話を進めていきました」

── 怪獣スペクタクルと家族のドラマのコントラストも見どころでした。

「大好きな映画のひとつにD・W・グリフィス監督の『イントレランス』という映画があって、世界が一変するような出来事と並行してカップルの姿が描かれるんです。文明崩壊など悲惨な出来事の中、彼らのお話だけは幸せな気持ちになれる。それにならい、悲劇の中にわずかな光が灯るような構造にしたかったんです。今回はいくつかの物語が同時進行していくので、そのひとつを担う女性として長澤まさみさん演じる青山が登場します。また核兵器のメタファーであるゴジラに執着している人物として、田中泯さん演じる村上博士を登場させました」

── IMAXの認定基準を満たした日本初の「Filmed For IMAX」映画になりました。

「IMAXシーンになると画面の縦サイズがシネスコの倍近くになるので、画角の変化に合わせた絵コンテ作りからVFXのレンダリング作業までとにかくたいへんでした。でも空中戦でカメラが目まぐるしく上下するシーンで自分も一緒に飛んでいるような気持ちになれたり、その没入感はIMAXならではですね」

── 公開を楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。

「とにかく面白い映画を作ることだけ考えてきたので、まずは楽しんでほしいですね。同時に世界情勢がどんどん変化しているこの時代、伝えなければならないことも入っているので、少しでも何かを考える時間が提供できたらと思います」

プロフィール

山崎貴 Takashi Yamazaki

1964年、長野県松本市生まれ。幼少期に『スターウォーズ』や『未知との遭遇』と出会い、強く影響を受け、特撮の道に進むことを決意。阿佐ヶ谷美術専門学校卒業後、1986年に株式会社白組に入社。『大病人』(93)、『静かな生活』(95)など、伊丹十三監督作品にてSFXやデジタル合成などを担当。2000 年『ジュブナイル』で監督デビュー。CG による高度なビジュアルを駆使した映像表現・VFX の第一人者。

『ALWAYS 三丁目の夕日』(05)では、心温まる人情や活気、空気感を持つ昭和の街並みをVFXで表現し話題になり、第29回日本アカデミー賞最優秀作品賞・監督賞など12部門を受賞。『永遠の0』(13)、『STAND BY ME ドラえもん』(14)は、それぞれ第38回日本アカデミー賞最優秀作品賞ほか8部門、最優秀アニメーション作品賞を受賞。

また、監督・脚本・VFXを担当した『ゴジラ-1.0』(23)では、第96回アカデミー賞®️で日本映画初の視覚効果賞受賞を果たした。日本を代表する映画監督の一人として数えられる。

『ゴジラ-0.0』
2026年11月3日(火・祝)公開
日本/2026年/東宝配給
監督・脚本・VFX/山崎貴
製作/東宝
制作プロダクション/TOHOスタジオ ROBOT
VFX/白組
出演/ 神木隆之介、浜辺美波

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