編集部追記:2019年01月01日に公開された記事を2019年01月24日に一部更新しました
2019年は“ディズニー・アニメーションの実写化”に注目!
ーー『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が洋画の興行収入一位を獲得した2018年は『グレイテスト・ショーマン』『ボヘミアン・ラプソディ』が大ヒットするなど音楽映画の当たり年でもありました。では2019年の洋画界ではどんな映画がヒットすると思いますか?
ヒットキーワードは二つあって、一つは“ディズニー・アニメーションの実写化”。2019年はディズニーの名作『ダンボ』(3月29日公開)『アラジン』(6月公開)『ライオン・キング』(夏公開)の実写化がほぼ2か月おきに公開されます。すでに海外版予告編なども解禁されていますが、いずれもアニメーションをそのまま実写にしたような雰囲気で『ライオン・キング』のシンバ誕生の有名な名シーンも再現されています。これだけでもかなり期待が高まりますね。
また2019年以降も『ムーラン』『リトル・マーメイド』『ピノキオ』などディズニー作品の実写化プロジェクトが続いていきます。今後のトレンドの一つになるのは間違いなさそうです。
ーーもう一つのヒットキーワードは?
それは“日本カルチャー”です。これまでも日本の原作をハリウッドで映画化することは少なくありませんでしたが、今後はその流れがさらに本格化。2019年はまず日本の人気SFコミックが原作の『アリータ:バトル・エンジェル』(2月22日公開)が公開され、アメリカでも人気の“ポケモン”の初の実写化『名探偵ピカチュウ』(5月公開)、ハリウッド版『GODZILLA』最新作『ゴジラキング・オブ・モンスターズ』(5月31日公開)と続きます。
また日本のゲームは海外でも爆発的な人気があり、全米では2019年の年末に『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の映画版が公開されたり、あの『モンスターハンター』の実写化がミラ・ジョヴォヴィッチ主演で撮影開始したというニュースも話題を呼んでいます。これらの作品のポイントは、いずれも豪華なキャストやスタッフが集められていること。ハリウッドが本気を出してきている感じがします。
ーー年末年始に入って、アカデミー賞の話題も上りはじめてきました。2019年のアカデミー賞のゆくえはどうなりそうでしょうか?
作品賞部門でいえば、大本命とされているのはレディー・ガガ主演の『アリー/スター誕生』(公開中)。主演賞・監督賞・主題歌賞など複数部門で候補になるのは間違いないでしょう。その対抗として『グリーンブック』(3月1日公開)も気になる存在。粗野なイタリア系用心棒と孤高の黒人ピアニストという正反対なふたりの旅を描いた感動的な実話の映画化で、ヴィゴ・モーテンセン&マハーシャラ・アリの男優賞候補もありそうです。
もう一本挙げておきたいのはアルフォンソ・キュアロン監督の最新作『ROMA/ローマ』。クアロンの自伝的作品で、中流階級の家庭に奉公する若い家政婦を描いています。これもオスカー最有力の一本ですが、Netflixの配信作品なので、日本での劇場公開の予定はありません(東京国際映画祭で上映)。もしこれが受賞したらアカデミー賞の歴史が変わることになるでしょう。
ひと足先に本編を見た『女王陛下のお気に入り』(2月15日公開)も女優陣全員がアカデミー賞クラスの演技で素晴らしかったですし、『ビューティフル・ボーイ』(4月公開)で薬物中毒の青年を演じたティモシー・シャラメの二年連続演技賞ノミネートもありそうですね。
ーー前回は今後の飛躍が期待される俳優としてシャラメの名前を挙げていましたが、2019年は彼に続くような俳優は出てきそうでしょうか?
男優は彼ほどの存在はなかなか出てこないかもしれません。ただ今後注目の美男子として挙げたいのはジョー・アルウィン。今はまだ“テイラー・スウィフトの彼氏”としてのほうが有名かもしれませんが、2019年は『女王陛下のお気に入り』『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』(3月公開)に出演してブレーク必至です。英国出身のかなりのイケメンなので、今からぜひチェックしておいてもらいたいです。
女優で注目しているのはエイザ・ゴンザレス。『ベイビー・ドライバー』で注目された美人女優で、2019年は『アリータ:バトル・エンジェル』『ホブス&ショウ』(夏公開)と話題作への出演が続きます。
ーーでは最後に、個人的に楽しみにしている2019年の作品を三本挙げてください。
いちばん楽しみなのはなんといっても『スター・ウォーズ/エピソード9』(冬公開)。『フォースの覚醒』から始まった三部作がいよいよ完結します。今後シリーズは続いても、スカイウォーカー家を描いた「スター・ウォーズ」としては最後になると言われていますね。
二本目はタランティーノ監督が女優シャロン・テート殺害事件を描く『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(秋公開)。レオにブラピとキャストがとても豪華ですが、個人的には1969年という時代設定に興味があって、あの頃のカルチャーをどれだけ盛り込んでいるのかが気になっています。当時のハリウッドの裏側みたいなものを見せてくれるんじゃないかと。
三本目は『グリーンブック』。『ラ・ラ・ランド』『スリー・ビルボード』に続いてトロント国際映画祭の観客賞を受賞し、オスカー大本命に躍り出ています。とにか今いちばん見たい映画です!
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