スケジュール
2019年1月22日:ノミネーション発表
2019年2月25日:授賞式開催
(日本時間)
作品賞・監督賞部門
「ROMA」か「アリー」か、それとも…?
作品賞有力といわれているもので、異色なのはアルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA/ローマ」。これはネットフリックス製作の作品なので、すでに日本でも配信中。近年「最後の追跡」「マンチェスター・バイ・ザ・シー」などネットフリックスやアマゾンの製作作品がノミネートされることが珍しくなくなってきたが、作品賞受賞となれば初の快挙。その可能性も充分と見られているが、本作は外国語映画賞部門でも最有力視されている。米各州の批評家賞では続々作品賞を受賞しているが、果たして結果はどうなるか?
「ROMA/ローマ」(配信中)
この部門が有力:
作品賞
監督賞/アルフォンソ・キュアロン
すでに日本でも見られているものでは「アリー/スター誕生」も有力といわれている。三度目のリメークで、これまで1937年のオリジナル、最初のリメーク版1954年作、二度目のリメーク版1976年作まで、いずれもオスカーに絡んできた名作ぞろいだが、作品賞受賞となれば初。大ヒットした「ブラックパンサー」もノミネートを確実視されている。マーベル・ヒーロー映画として初のオスカー作品賞候補作になりそうだ。大ヒットという点では、もしかするとゴールデングローブ賞を受賞した「ボヘミアン・ラプソディ」も大逆転が狙えるかも?
「アリー/スター誕生」(公開中)
この部門が有力:
作品賞
監督賞&主演男優賞/ブラッドリー・クーパー
主演女優賞/レディー・ガガ
助演男優賞/サム・エリオット
日本公開を控えたものでは、これもゴールデングローブ賞受賞の『グリーンブック』も有力。1960年代の実話で黒人天才ピアニストがイタリア系の運転手と共に、人種差別がまだ激しかったころの米南部をツアーで旅する。いかにもオスカーが好みそうな題材で受賞有力の一本。ブラックパワーでは、スパイク・リー監督の『ブラック・クランズマン』もKKKに潜入捜査を試みた黒人警官の実話を基にしたサスペンスで、候補入り確実と見られている。他に英国女王アンと彼女の寵愛を狙う二人の女性の愛憎を描く宮廷絵巻「女王陛下のお気に入り」、ジョージ・W・ブッシュ政権時代の副大統領ディック・チェイニーの実像に迫る『バイス』もノミネーション必至といわれている。
「グリーンブック」(2019年3月1日公開)
この部門が有力:
作品賞
監督賞/ピーター・ファレリー
主演男優賞/ヴィゴ・モーテンセン
助演男優賞/マハーシャラ・アリ
また近年のオスカーで主要部門受賞を果たした監督たちの新作も注目されていて、「ムーンライト」で作品賞を受賞したバリー・ジェンキンス監督の『ビール・ストリートの恋人たち』(無実の罪で逮捕された婚約者のために奔走する十九歳の少女を描く)、「それでも夜は明ける」で作品賞を受賞のスティーヴ・マックイーン監督の『妻たちの落とし前』(強盗犯の妻たちが夫たちの失敗した計画を遂行しようとする)、そして「ラ・ラ・ランド」で監督賞を受賞したデイミアン・チャゼル監督の「ファースト・マン」といった作品群も忘れずにおきたい。
「妻たちの落とし前」(2019年4月公開)
この部門が有力:
作品賞
監督賞/スティーヴ・マックイーン
「ファースト・マン」(2019年2月8日公開)
この部門が有力:
作品賞
監督賞/デイミアン・チャゼル
主演男優賞/ライアン・ゴズリング
助演女優賞/クレア・フォイ
監督賞もこれらの作品から選ばれるのは必至で、「ROMA/ローマ」のクアロン、「アリー/スター誕生」のブラッドリー・クーパーに加え、『ブラック・クランズマン』のリー、「女王陛下のお気に入り」のヨルゴス・ランティモス、『グリーンブック』のピーター・ファレリー、『バイス』のアダム・マッケイ、「ブラックパンサー」のライアン・クーグラー、そして先述のジェンキンス、マックィーン、チャゼルらの中から選ばれる可能性が高い。またクアロンは脚本賞、撮影賞でも有力だそう。
「ブラックパンサー」(MovieNEX発売中)
この部門が有力:
作品賞
監督賞/ライアン・クーグラー
助演男優賞/マイケル・B・ジョーダン
▶︎▶︎主演男優・女優賞部門、助演男優・女優部門はどう?▶︎▶︎