いよいよ今年もやってくる映画界最大の祭典“アカデミー賞”のシーズン。すでに全部門ノミネーションも発表され、2022年3月27日(現地時間)の授賞式を待つのみですが、新時代のオスカーを目指し改革が進むこのセレモニーを何倍も楽しむために、いろいろ知っておきたい事前情報がたくさん! まずは主要各部門の受賞予想の動向についてお届けしましょう。(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:Netflix映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』独占配信中
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【主演男優賞部門】ウィル・スミスが3度目でついに受賞に王手
主演男優賞部門候補
- ベネディクト・カンバーバッチ(『パワー・オブ・ザ・ドッグ』)
- ウィル・スミス(『ドリームプラン』)
- ハヴィエル・バルデム(『愛すべき夫妻の秘密』)
- アンドリュー・ガーフィールド(『tick, tick…BOOM!チック、チック…ブーン!』)
- デンゼル・ワシントン(『マクベス』)
この部門、何といっても本命中の本命は『ドリームプラン』のウィル・スミス。オスカーレースが始まったころから現在までずっとトップランナーで、ゴールデングローブ賞、全米俳優協会賞など重要な賞も着実に自分のものにしている。彼にとっては三度目の主演男優賞候補。娘たちをテニス・チャンピオンに育て上げるエキセントリックな父親という役で演技に円熟味も出てきたところ。満を持しての受賞と行きたいところだ。
そのスミスに対抗するのは、二度目の主演賞候補となる『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のベネディクト・カンバーバッチ。内に秘密を抱えたカリスマ的な大牧場主という大変難しい役柄を見事に演じきって、実力を見せつける。もう一人、『tick, tick…BOOM !チック、チック…ブーン!』のアンドリュー・ガーフィールドも二度目の主演賞候補。ミュージカルも行けることを証明して、演技力の奥深さを感じさせる。
受賞経験のないこの3人に対して、あとはすでに受賞経験のある2人が控えている。助演男優賞を受賞しているハヴィエル・バルデムは『愛すべき夫妻の秘密』でキューバ出身の往年のTVスター、デジ・アーナズを演じて、初の主演賞受賞を狙う。もう一人のデンゼル・ワシントンは主演賞も助演賞も受賞している大ベテラン。『マクベス』ではシェイクスピア劇で大物俳優の風格を発揮。昨年のアンソニー・ホプキンスのように業界の同業者であればひれ伏してしまうような圧倒的な演技力を示している。