天然パーマがトレードマークで友達も彼女もいない、カレーをこよなく愛する大学生の主人公・久能整。時に優しく、時に鋭い魔法のようなお喋りだけで、いつの間にか登場人物たちが抱える様々な悩みや事件の謎を解いてしまう。そんな整が広島を訪れた際、代々、遺産を巡る争いで死者さえ出るといういわく付きの名家・狩集家の遺産相続事件に巻き込まれていく。菅田将暉主演の映画『ミステリと言う勿れ』は同名ドラマの映画化です。ドラマに引き続き演出を務めた松山博昭監督に、ドラマ化のきっかけから映画を作るにあたっての苦労、伝えたいことなどうかがいました。(取材・文/ほりきみき)

言葉1つ1つに力のある菅田将暉

──映画だからこそできたことはありましたか。

「ミステリと言う勿れ」は整が言葉を発して、その言葉にみんなが心を動かされて変わっていく物語。そういう意味ではテレビという気軽に見られる媒体で、多くの人に整の言葉を伝えることは大切です。

一方で、映画は映画館という閉ざされた空間の中で2時間ちょっと集中して見ていただきます。邪魔が入らない中で整の言葉に向き合ってもらえるので、映画ならではの整の言葉の届き方ができたのではないかと思います。実はこれが映画化したいちばん大きな意味だと思っています。

画像: 言葉1つ1つに力のある菅田将暉

──整が女性の生き方に言及したところがありましたが、とても心に響きました。

僕も原作を読んだときに、ものすごく面白い発想だなと思いました。

ただ、「ミステリと言う勿れ」は何かを押し付けたり、「こうだ」と言い切ったりするわけではありません。何かを考えるきっかけになればと思っています。

──最後に、ドラマ、映画を通じて感じた菅田さんの俳優としての魅力を教えてください。

原作のマンガにはものすごい情報量があります。これをちゃんと映像化できるか、かなり不安でした。この作品が成功したのは、菅田さんが整として言葉を発してくれたからです。菅田さんがいなかったら、映像作品として成立さえしなかったでしょう。

彼の言葉は1つ1つに力があって、相手に届くのです。これだけの言葉をちゃんと相手に届くようにお芝居をして伝える能力を持っている方はなかなかいません。そこに菅田さんのいちばんのすごさがあるし、魅力ではないかと思います。

<PROFILE>
松山博昭

1998年にフジテレビジョン入社。「LIAR GAME」シリーズで初のチーフ演出を担当。その後、「失恋ショコラティエ」「信長協奏曲」「親愛なる僕へ殺意を込めて」などを手掛ける。「LIAR GAME」「信長協奏曲」では劇場版の監督も務めている。

『ミステリと言う勿れ』全国公開中

画像: 映画『ミステリと言う勿れ』予告【2023年9月15日(金)公開】 www.youtube.com

映画『ミステリと言う勿れ』予告【2023年9月15日(金)公開】

www.youtube.com

<STORY>
天然パーマでおしゃべりな大学生・久能整(菅田将暉)は、美術展のために広島を訪れていた。そこで、犬堂我路(永山瑛太)の知り合いだという一人の女子高生・狩集汐路(原菜乃華)と出会う。「バイトしませんか。お金と命がかかっている。マジです。」そう言って汐路は、とあるバイトを整に持ちかける。それは、狩集家の莫大な遺産相続を巡るものだった。当主の孫にあたる、汐路、狩集理紀之助(町田啓太)、波々壁新音(萩原利久)、赤峰ゆら(柴咲コウ)の4人の相続候補者たちと狩集家の顧問弁護士の孫・車坂朝晴(松下洸平)は、遺言書に書かれた「それぞれの蔵においてあるべきものをあるべき所へ過不足なくせよ」というお題に従い、遺産を手にすべく、謎を解いていく。ただし先祖代々続く、この遺産相続はいわくつきで、その度に死人が出ている。汐路の父親も8年前に、他の候補者たちと自動車事故で死亡していたのだった…
次第に紐解かれていく遺産相続に隠された<真実>。
そしてそこには世代を超えて受け継がれる一族の<闇と秘密>があった―――。

<STAFF&CAST>
原作:田村由美「ミステリと言う勿れ」(小学館「月刊フラワーズ」連載中)
監督:松山博昭『信長協奏曲』(2016年)
脚本:相沢友子『本能寺ホテル』(2017年)
出演: 菅田将暉
松下洸平  町田啓太  原菜乃華  萩原利久
鈴木保奈美  滝藤賢一  でんでん  野間口徹
松坂慶子  松嶋菜々子
伊藤沙莉  尾上松也 ・ 筒井道隆  永山瑛太
角野卓造  段田安則  柴咲コウ
配給:東宝
©田村由美/小学館 ©2023 フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社

公式サイト:https://not-mystery-movie.jp/

This article is a sponsored article by
''.