第10〜1位
第10位:「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」
監督:ショーン・ベイカー
キャスト:ブルックリン・プリンス、ウィレム・デフォー
(クロックワークス配給)
ディズニー・ワールドに隣接するモーテル暮らしの母娘の日常から見える米国社会の現状。
第9位:「グレイテスト・ショーマン」
監督:マイケル・グレイシー
キャスト:ヒュー・ジャックマン、ミシェル・ウィリアムズ
(20世紀フォックス配給)
19世紀に実在した興行師P・T・バーナムの成功への軌跡を描くミュージカル大作。
萩尾瞳
[ 映画評論家 ]
楽曲が素晴らしくて、ヒュー・ジャックマンがまた素敵だった。
きさらぎ尚
[ 映画評論家 ]
分かりやすい物語でショーマンを演じたヒュー・ジャックマンは、歌唱力・演技力ともに絶好調。
第8位:「タクシー運転手 約束は海を越えて」
監督:チャン・フン
キャスト:ソン・ガンホ、トーマス・クレッチマン
(クロックワークス配給)
“光州事件”の真実を世に知らせるために活躍したドイツ人記者と平凡な運転手の交流。
村上淳子
[ 映画&海外ドラマ・ライター ]
一市民の視点でコメディタッチの日常から光州事件への壮絶な切り込み方が見事だった。
第6位:「ファントム・スレッド」
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
キャスト:ダニエル・デイ・ルイス、ヴィッキー・クリープス
(ビターズエンド/パルコ配給)
カリスマ的なオートクチュールの仕立て屋が、若いウェイトレスと危険な恋に落ちるが……
第6位:「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」
監督:クレイグ・ギレスピー
キャスト:マーゴット・ロビー、アリソン・ジャネイ
(ショウゲート配給)
五輪代表のフィギュアスケート選手、トーニャは本当にライバル選手を襲撃したのか?
秋本鉄次
[ 映画評論家 ]
2018年は女優戦線異常あり!中でも「アイ、トーニャ史上最大のスキャンダル」はパツキン女優マーゴットの成長の証。
第5位:「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」
監督:スティーヴン・スピルバーグ
キャスト:メリル・ストリープ、トム・ハンクス
(東宝東和配給)
ベトナム戦争に関する国防省の最高機密文書の存在をスクープしたポスト紙の英断を描く。
久保田明
[ 映画評論家 ]
カメラワーク、照明、セット。ほとんどリハーサルを行なわず、動線を俳優に委ねたスピード感。誇張と省略。映画の教科書と呼ぶに相応しい「ペンタゴン・ペーパーズ」が文句無しの第一位。
第4位:「君の名前で僕を呼んで」
監督:ルカ・グァダニーノ
キャスト:ティモシー・シャラメ、アーミー・ハマー
(ファントム・フィルム配給)
80年代イタリアの美しい田舎町で出会った17歳の少年と年上の学生のひと夏の恋。
成田陽子
[ 映画ライター ]
まぶしいほどに美しい若者と美少年のロマンスは誰の胸にもぐさっと刺さるはず。
村上淳子
[ 映画&外界ドラマ・ライター ]
今年は心にガツンとくる作品が多かった。「君の名前で僕を呼んで」は瑞々しくももどかしい恋心を表現したティモシー・シャラメが秀逸。
第3位:「ボヘミアン・ラプソディ」
監督:ブライアン・シンガー
キャスト:ラミ・マレック、ルーシー・ボイントン
(20世紀フォックス映画配給)
ロックバンド“クイーン”のボーカル、フレディ・マーキュリーの生き様を描く伝記映画。
稲垣都々世
[ 映画評論家 ]
音楽にあまり興味のない自分が、高揚し、感動していることに驚いた。
斉藤博昭
[ 映画ライター ]
毎年、ベストテンは冷静な判断で決めるけど、今年の場合は偏愛も入れて「ボヘミアン・ラプソディ」がダントツ。何度か観ているうちに、映画としての構成やまとめ方が奇跡的な巧さであると納得したので。天国から魂が舞い降りて応援した……と勝手に想像。
第2位:「シェイプ・オブ・ウォーター」
監督:ギレルモ・デル・トロ
キャスト:サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン
(20世紀フォックス映画配給)
冷戦下の米国。宇宙研究センターに運び込まれた謎の生物と清掃員女性に愛情が生まれる。
稲田隆紀
[ 映画解説者 ]
ギレルモ・デル・トロに拍手を送ります。オスカーを獲れなかったサリー・ホーキンズにも一票。
北島明弘
[ 映画評論家 ]
幻想世界にうっとり。
木村奈保子
[ 映画評論家 ]
今年はサリー・ホーキンズがこれでもか、のマイノリティーぶりで愛らしく、クリーチャーとの絡みをピュアに見せた。ファンタジーホラーのクイーンとして見事な存在感で成功したと言える。
第1位:「スリー・ビルボード」
監督:マーティン・マクドナー
キャスト:フランシス・マクドーマンド、サム・ロックウェル
(20世紀フォックス映画配給)
ミズーリ州の小さな町で娘を殺された母親が警察への不信感を広告看板に掲示するが……
北島明弘
[ 映画評論家 ]
フォックス・サーチライト作品の典型といっていい「スリー・ビルボード」。辛みのきいた人生ドラマを切れ味よく料理してあった。
成田陽子
[ 映画ライター ]
オスカー賞を逃したものの「スリー・ビルボード」のストーリーは徹底的にドライで、好戦的で面白いし、曲者ぞろいのキャストが斜めアングルから攻めてくる楽しさ。
秦早穂子
[ 映画評論家 ]
未来を予告し、夢を与える映画の役割は終わった。現実が苛烈に先行するからだ。それだけに映像の見方も進歩している。省略し、飛躍する空間で、どれだけ想像と理解を深められるか?しかし、映画の魅力は、出だしと終わりかたで一変する。「スリー・ビルボード」の出だしは、今年のピカイチだった。
参加した映画プロフェッショナル
秋本鉄次、池田敏、稲垣都々世、稲田隆紀、井上健一、永千絵、襟川クロ、大谷弘路、大森さわこ、おかむら良、荻原順子、垣井道弘、河原晶子、きさらぎ尚、北島明弘、木村奈保子、清藤秀人、久保田明、斉藤博昭、佐藤忠男、塩田時敏、白井佳夫、杉谷伸子、相馬学、高瀬由美子、土屋好生、成田陽子、西森マリー、野村正昭、萩尾瞳、はせがわいずみ、秦早穂子、平沢薫、藤田篠、まつかわゆま、村上淳子、横森文、渡辺祥子、渡辺麻紀