第91回アカデミー賞
授賞式はWOWOWプライムで2019年2月25日午前8時30分(日本時間)から同時通訳による生中継で独占放送。同日夜9時からは字幕付きリピート放送が同局で行なわれる。
例年、この時期になってくると大体の本命、対抗などがはっきりし例てくるアカデミー賞。ところが、今年は最終コーナーを回る時期になっても、まだこれといった本命がわからないという大変な混戦に。一体ハリウッド業界はいまどうなっているのだろう。
作品賞
アカデミー賞にとって重要な予想材料となる全米製作者組合賞では作品賞にあたるダリル・F・ザナック賞を「グリーンブック」が受賞。しかし全米俳優組合賞では作品賞につながるキャスト賞を「ブラックパンサー」が受賞というサプライズ。そしてゴールデングローブ賞ではドラマ部門で「ボヘミアン・ラプソディ」が、コメディー/ミュージカル部門で「グリーンブック」と結果はバラバラなうえ、有力とされていた「ROMA/ローマ」「バイス」「アリー/スター誕生」が取れていない(「ROMA/ローマ」は外国語映画賞受賞)。だが作品賞受賞に影響を及ぼすと思われる監督賞候補に「グリーンブック」「ブラックパンサー」「ボヘミアン・ラプソディ」は選ばれていない。すると本当の本命は何だろう?ということになってしまう。
最多ノミネーションとなった「女王陛下のお気に入り」も、監督賞候補にもなっている「ブラック・クランズマン」も「バイス」も決め手がないので、八作どれが取ってもおかしくない状態が生まれている。その中で一歩前に出ている「ROMA/ローマ」は外国語映画賞を受賞する可能性がほぼ100%なので、作品賞も同時受賞すれば史上初。しかしその可能性が高いとは言い難い。数年前の「アルゴ」のように、監督賞候補にはなっていなくても「グリーンブック」が受賞する可能性も捨てきれない。それとも大逆転で上昇気流の「ボヘミアン・ラプソディ」か?それも全くない、と言いきれないのが今回の難しさ。オスカー史上稀に見る激戦の結果はどうなる?
作品賞候補
「アリー/スター誕生」(公開中)
酒に溺れる人気ミュージシャンと、彼に見いだされたシンガーとしての才能豊かな女性。二人の運命の恋を描く。
「ボヘミアン・ラプソディ」(公開中)
伝説的ロック・バンド“クイーン”と夭逝したそのボーカル、フレディ・マーキュリーの生き様を描く感動編。
「ROMA/ローマ」(Netflixにて配信中)
政治的混乱に陥った70年代メキシコ。一人の家政婦と彼女の雇い主である一家の関係を鮮烈に描くNetflix映画。
「グリーンブック」(2019年3月1日公開)
人種差別がまだ激しかった60年代の米国南部。天才黒人ピアニストとその運転手を務める白人男性の実話ロードムービー。
「ブラックパンサー」(MovieNex発売中)
マーベル作品初のオスカー作品賞候補。アフリカ、ワカンダ国の王であり、一方でヒーローの顔を持つティ・チャラの活躍を描く。
「ブラック・クランズマン」(2019年3月22日公開)
白人同僚の協力を得た黒人警官が、白人至上主義秘密結社のKKKに潜入捜査するという前代未聞の実話を映画化。
「女王陛下のお気に入り」(公開中)
18世紀の英国王室。孤独なアン王女と彼女に仕える二人の女性の繰り広げるドロドロの権力争いを描く宮廷ドラマ。
「バイス」(2019年4月5日公開)
田舎町の電気工から米副大統領にまで上り詰めた悪名高いディック・チェイニーを描く、社会派エンターテインメント。